資材調達からお客さまの製品使用、廃棄までを踏まえた製品のライフサイクルにおける環境負荷の低減に向け、環境に配慮した製品の開発に取り組んでいます。
当社グループは、低炭素社会の実現に向け、環境配慮型製品の開発に取り組んでおり、材料調達からお客様の使用、最終廃棄に至る製品ライフサイクルの各段階における環境影響を評価するため、お客様のご要望に応じてライフサイクルアセスメント(LCA)を実施しています。
また、新製品開発時には、「省エネルギー性」や「再利用、再資源化」など約40項目からなる製品アセスメントを実施し、環境影響を従来製品と比較評価しています。このアセスメントにより、「消費電力量低減率15%以上」「製品含有化学物質規制対応」など、当社独自の基準を満たした製品を「G-エコ製品」として認定しています。
2023年度に開発した新製品のうち、2023年に流通・交通市場向けに販売を開始したセルフレジつり銭機「S1000シリーズ」は、従来機に比べて使用時の消費電力量を18%削減しました。
当社は、RoHS指令やREACH規則、その他の法規制で規制されている物質を「グローリー指定化学物質リスト」に指定し、グリーン調達基準において使用の禁止を定め、製品に含有される化学物質の管理を実施しています。
製品の構成部材の選定時に、化学物質規制の適合品であることを確認するほか、部材が納入された際は、蛍光X線分析装置で厳密な検査を行っています。また、化学物質含有量を調査し、化学物質管理システムに登録することで、製品全体の含有量が容易に集計できるようにしています。さらに、新製品出荷時にはすべての製品が関連する規制に適合しているかを検査しています。
化学物質の管理には、お取引先さまのご協力が不可欠です。国内外のお取引先さまには、当社のグリーン調達基準に準拠した部材を納入いただくとともに、グリーン調達に関する覚書を締結し、含有化学物質の情報提供をお願いしています。
当社は、環境に配慮したメンテナンス製品として、エアダスター<リサイクルジェット>を開発しました。本製品は、電気製品や精密機器に付着したゴミやホコリを除去するエコ・メンテナンス製品です。エアダスターによく使われている代替フロンを使用せず、産業副産物として回収された炭酸ガス(CO2)を噴射ガスとして充填しています。これにより、地球温暖化係数が既存品に比べ約1,430分の1となり、地球温暖化防止につながります。炭酸ガスは不燃性のため引火の危険性もなく、安全性にも配慮されています。加えて、着脱式の再利用可能なボンベにしたことで、廃棄物の削減も図ることができます。
また、全国100カ所以上の保守拠点網を活用し、テクニカルスタッフが日常の保守作業時に使用済みボンベを回収した後、提携している炭酸ガス充填工場で再充填する独自の循環型スキームを構築することで、循環型社会の実現に貢献しています。2023年度は、38,996本を充填し、販売しました。