当社グループは、不屈の精神で製品開発に取り組み、社会の発展に貢献することにより持続的な企業の発展を目指すという思いが込められた企業理念に基づき、社会と共生し、すべてのステークホルダーの皆さまに信頼され支持される健全で効率的な企業経営を推進することにより、継続的な企業価値の向上を図ります。
また、そのために、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組み、経営における監督機能ならびに業務執行機能の強化、意思決定の迅速化、透明性および客観性の確保、コンプライアンス経営のさらなる充実等を図り、一層の企業価値向上に努めています。
当社は、取締役会の経営に関する意思決定の迅速化・効率化および監督機能の強化をさらに推進するため、「監査等委員会設置会社」を採用しております。重要な業務執行の決定につき取締役に柔軟に委任可能な体制を採るとともに、執行役員制度を導入し、執行役員に対する業務執行の権限移譲を進めております。これらを通して、取締役会の監督機能の強化と事業経営の迅速化や効率化の向上に努めております。
また、監査等委員会による監査・監督機能の充実を図るとともに、指名諮問委員会、報酬諮問委員会等を設置し、経営の重要事項決定における透明性、客観性の確保に努めています。
その他、当社グループのコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方、方針などについては、「コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」に記載しています。
当社の取締役会は、監査等委員でない取締役9名、監査等委員である取締役3名の計12名で構成され、うち5名が独立社外取締役です。取締役会は、当社「取締役会規程」の定めに従い、当社および当社グループの重要な経営方針の決定、業務執行の監督、業務執行状況の報告等を行っております。また、意思決定の迅速化を図るため、重要な業務執行の決定につき取締役に柔軟に委任し、迅速かつ機動的な意思決定が可能な体制を採っています。
当事業年度につきましては、取締役会を16回開催し、上記「取締役会規程」の定めに従い、法令・定款に定める事項及び重要な経営方針の決定の他、業務執行状況に係る報告等を受けております。特に、中期経営計画の進捗状況及び次期中期経営計画の方向性の確認、M&A等の成長投資に関する検討及び投資後のモニタリング、内部統制の強化に係る諸施策の決定及び推進、取締役会の実効性評価、部材等の調達難や地政学リスクへの対応、重要なシステム投資に係る検討及び実効等を行いました。
当社の監査等委員会は、監査等委員である取締役3名で構成され、うち2名が独立社外取締役です。当社は、その活動の実効性確保のため、常勤の監査等委員及び委員長を置くこととしております。監査等委員会は、会社の内部統制システムや直轄の内部監査部門を活用しつつ、会計監査人との緊密な連携を図ることにより、監査等委員会が定めた監査の方針および職務分担に従って年度の監査計画に基づく監査を実施しております。また、原則月1回、監査等委員会を開催し、監査の実施状況や結果につき情報の共有や意見の交換を行っています。
なお、社外取締役の加藤恵一氏は、企業法務に関し豊富な実務経験を有する弁護士であり、企業法務に関する相当程度の知見を有しております。また、社外取締役 生川友佳子氏は、税理士であり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。当社は、これら2名が有する高度な専門的知識や豊富な経験を当社の監査・監督に活かし、当社経営の適法性・妥当性を確保する体制としております。
また、当社は、より一層の監査の実効性確保のため、監査等委員会の職務を補佐する専任の使用人を2名配置しております。
監査等委員会と会計監査人は、それぞれの監査の効率性および実効性を高めるため、互いに緊密な連携を図り、年数回の定期会合に加え、必要に応じ適宜会合を持ち、期初の年度監査計画および往査計画(連結子会社への往査を含む)の説明・協議、留意事項の聴取・確認等を通して、相互に業務遂行の適正性および信頼性の確保に努めています。
また、監査等委員会は、監査の効率性および実効性を高めるため、組織上監査等委員会の直轄部門と位置づけられた内部監査部門である監査部と互いに緊密な連携を図っております。監査等委員は、監査部が年度監査計画に基づく監査を実施する都度、監査の日程・対象・目的・方法等を記載した監査通知書の写しを受領・確認し、監査の実施後には、内部監査実施状況報告書により、指摘事項、改善実施状況等の状況説明を受け、相互に意見交換を行っています。また、四半期毎に、内部監査結果等の重要事項に係る監査部長による報告の場を持ち、情報交換等も行っております。加えて、代表取締役社長に対しても、毎月報告の場を持ち、監査部長から直接報告しております。会計監査人に対しては、監査部長は、定期的、また必要に応じて随時打合せ、意見交換を実施しています。
当社は、取締役の指名等の決定に係る透明性、客観性を確保するため、委員長及び構成員の過半数を独立社外取締役とする指名諮問委員会を設置し、取締役会からの諮問に基づき、取締役候補者及び執行役員の選任ならびに経営陣幹部の選定、後継者計画等について審議する体制としております。
なお、当事業年度は、指名諮問委員会を14回開催し、主に、取締役及び執行役員候補者に係る選任案、後継者計画、役員制度の今後の方向性等に係る審議・検討を行いました。
当社は、取締役及び執行役員の報酬等の決定に係る透明性、客観性を確保するため、委員長及び構成員の過半数を独立社外取締役とする報酬諮問委員会を設置し、取締役会からの諮問に基づき、報酬等(固定報酬、賞与、株式報酬)に係る体系・決定プロセスや具体的報酬額につき審議し、その妥当性に関する判断結果を取締役会に報告する体制としております。
なお、当事業年度は、報酬諮問委員会を4回開催し、主に、取締役及び執行役員の固定報酬の額、賞与に係る目標値及び算定式ならびにその算定結果、株式報酬制度に係る付与ポイント等に係る審議・検討を行いました。
<主要な機関等の構成員>
役 職 名 | 氏 名 | 取締役会 |
監査等
委員会 |
指名諮問
委員会 |
報酬諮問
委員会 |
---|---|---|---|---|---|
代表取締役会長
|
尾上 広和 | ○ | |||
代表取締役社長 | 三和 元純 | ◎ | ○ | ○ | |
取締役 | 尾上 英雄 | ○ | |||
取締役 | 小谷 要 | ○ | |||
取締役 | 原田 明浩 | ○ | |||
取締役 | 藤田 知子 | ○ | |||
社外取締役 | 井城 讓治 | ○ | ◎ | ○ | |
社外取締役 | 内田 純司 | ○ | ○ | ◎ | |
社外取締役 | イアン・ジョーダン | ○ | |||
取締役(監査等委員) | 犬賀 昌人 | ○ | ◎ | ||
社外取締役(監査等委員) | 加藤 恵一 | ○ | ○ | ||
社外取締役(監査等委員) | 生川友佳子 | ○ | ○ |
※「◎」は議長または委員長を表示しています。
役員報酬に関する当社の方針等は以下のとおりです。
当社の取締役の報酬は、株主との価値を共有でき、かつ、その職責に相応しい水準とし、企業業績および企業価値の持続的な向上に対するインセンティブや優秀な人材の確保にも配慮した体系とする。
・業務執行取締役の報酬は、「月額固定報酬」、短期業績連動型の「賞与」及び中長期業績連動型の「株式報酬」
により構成する。なお、子会社の役員を兼任する取締役については、子会社から支給される報酬等の内容及び当社における
職責等をふまえ、「賞与」及び「株式報酬」を支給しないことがある。
・社外取締役の報酬は、その監督機能及び独立性の観点から、「月額固定報酬」のみとする。
・ いずれの取締役に対しても、役員退職慰労金は支給しない。
・ 当社の取締役の報酬等の額は、当社の業績、他社水準等を考慮しながら、総合的に勘案して決定するものとする。
・「月額固定報酬」は、役位別に定額とする。
・ 短期業績に連動する金銭報酬としての「賞与」は、中期経営計画期間における事業年度ごとの業績の向上を
目的とすることから、「2023中期経営計画」の業績目標のうち、連結の「売上高」(ウェイト40%)及び「営業利益」
(ウェイト60%)を目標業績指標とし、その達成度に応じて、毎年一定の時期に、あらかじめ定めた基準額の0倍(達成率
60%未満)から2倍(達成率140%)の金銭を支給する。なお、のれん償却前当期純利益が前事業年度の配当総額(特別配当
を除く。)に満たない場合は支給しない。
・ 中長期的な業績の向上を目的とする非金銭報酬としての「株式報酬」は、中期経営計画期間である3事業年度の業績向上を
目的とすることから「2023中期経営計画」の業績目標のうち、連結の「のれん償却前ROE」、「のれん償却前営業利益」、
「新領域事業売上高」を目標指標とし、対象3事業年度の目標累積値に対する達成度に応じて、「株式交付規程」に
定める一定の時期(信託期間の一定の時期及び取締役の退任時)に付与するポイントに応じた当社株式等を交付する。
なお、各対象事業年度の目標値に対する達成度合いが70%未満の場合は当該事業年度に係る支給は行わない。
なお 、2023年度の「賞与」につきましては、2023年度の業績は「2023中期経営計画」期間中の前2事業年度(2021年度及び2022年度)に比べ大きく変動することが予想されるため、上記「賞与」の支給に係る算定式を一部変更したうえで運用することにつき、2023年5月30日開催の「報酬諮問委員会」の審議を踏まえたうえで、2023年5月31日開催の取締役会において決議しております。変更内容の概要は、以下のとおりであります。
(変更前)
連結の「売上高」(ウェイト40%)及び「営業利益」(ウェイト60%)を目標指標とし、その達成度に応じて、あらかじめ定めた基準額の0倍(達成率60%未満)から2倍(達成率140%)の金銭を支給する。なお、のれん償却前当期純利益が前事業年度の配当総額(特別配当を除く。)に満たない場合は支給しない。
(変更後)
連結の「売上高」(ウェイト40%)及び「営業利益」(ウェイト60%)を目標指標とし、その達成度に応じて、あらかじめ定めた基準額に業績連動係数(達成率)を乗じた額の金銭を支給する。なお、各目標業績指標における達成率が60%未満の場合には業績連動係数は0とする 。
また、「親会社株主に帰属する当期純利益」に顕著なマイナス影響を与える経営環境の変化等が発生した場合は、当該業績連動係数を変更して運用(減額対応)する場合がある。
また、「のれん償却前当期純利益」が前事業年度の配当総額(特別配当を除く。)に満たない場合は賞与は支給しない。
・ 報酬総額に占める金銭報酬(「月額固定報酬」及び「賞与」)と「株式報酬」の比率は、基準額で概ね80%:20%と
なるよう設定する。
・ 報酬総額に占める固定報酬と業績連動型報酬の比率は、代表取締役社長については、基準額で概ね50%:50%とし、
他の取締役については、代表取締役社長に準じ職責や報酬水準等を考慮して設定する。
個人別の取締役の報酬額については、その透明性と客観性を確保する観点から、報酬諮問委員会の審議を踏まえたうえで、株主総会で承認を得た範囲内で、監査等委員でない取締役の報酬は、各取締役の月額固定報酬及び賞与の総額を取締役会において決定するとともに、報酬決定に係る機動的な対応を可能とするため、個別の報酬額を確定させることを代表取締役社長に一任する。
なお、上記委任を受けた場合、代表取締役社長は、報酬諮問委員会が妥当性を確認した内容にて決定をしなければならないこととする。
また、株式報酬については、報酬諮問委員会が妥当性を確認したうえで、取締役会で決定する「株式交付規程」に基づき算定されるポイントに応じた当社株式を付与する。
なお、経営の監査・監督機能を中心に担う監査等委員である取締役の報酬は、月額の「固定報酬」のみとし、その個人別の報酬額については株主総会で承認を得た範囲内で監査等委員の協議により決定することとしております。
2022年度の取締役の報酬等の額は、以下のとおりです。
区 分 |
報酬等の総額
(百万円)
|
報酬等の種類別の総額(百万円) |
対象となる
員数(人)
|
||
---|---|---|---|---|---|
固定報酬 |
業績連動型
賞 与
|
業績連動型
株式報酬
|
|||
監査等委員でない取締役
(うち社外取締役) |
139 (32) |
134 (32) |
- (-) |
5 (-) |
10 (3) |
監査等委員である取締役
(うち社外取締役)
|
35 (16) |
35 (16) |
- | - | 3 (2) |
当社は、当社の取締役がその役割と責務を果たすために、各取締役に応じ必要なトレーニングの機会を、定期的または必要に応じ、適切に提供することを基本方針としています。当社取締役は、当社が主催する役員向け社内研修、証券取引所、弁護士や各分野の専門家、外部諸団体等が主催するセミナーや研修会などに参加し、必要な知識の習得、更新、研鑽に努めています。
また、当社および主要子会社の工場見学や現場視察など、当社グループの事業・財務・組織等に関する知識や理解を深める機会を提供しています。
当社は、当社の「コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」に基づき、2015年度より毎年「取締役会の実効性に関する分析・評価」を行い、取締役会全体の機能強化を図っています。