サステナビリティ

トップメッセージ

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“コア事業と新領域事業のクロス成長”をコンセプトに、企業価値向上を図ってまいります

はじめに

代表取締役社長

新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さまとそのご家族・関係者の皆さまに謹んでお見舞い申しあげますとともに、不幸にもお亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表します。また、医療関係者の皆さまを始め、困難な状況下で社会生活を守るため最前線で業務に当たっておられる多くの方々に心より感謝いたします。

新型コロナウイルス感染症の拡大は世界経済に甚大なダメージを与え、当社グループの事業活動にも大きな影響を及ぼしました。厳しい環境はなお暫く続くと思われますが、お客さま、お取引先さま、従業員とその家族の感染防止を最優先に事業を推進し、社会課題解決に向けたソリューションや新たな価値を創造していくことで持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

グローリーのDNAと提供価値

グローリーは1918年の創業以来、企業価値の持続的な向上を目指し、社会が求めるモノづくりと技術革新に挑み続けています。1950年に国産第一号の硬貨計数機を開発し、当時の大蔵省造幣局に納入以来、通貨処理に関連する事業領域においてさまざまなイノベーションを起こし、マーケットを拡大してまいりました。根底にあるのは、「絶えず世の中にない新しいもの、人の役に立つものをつくり続ける」という創業以来の精神です。創業者の思いは、企業理念に掲げる「求める心とみんなの力」に込められ脈々と受け継がれており、世界100ヶ国以上に製品やソリューションを提供するグローバル企業に成長した今も、私たちの変わらぬアイデンティティーとなっております。

当社グループは、社会環境や時代の流れとともに変化するお客さまのさまざまなニーズに応える決済環境を、ワンストップで提供できることを大きなアドバンテージとしております。

キャッシュレス決済が普及し決済手段が多様化するなか、2020年4月、グローバルファストフードチェーンや大手リテーラーなどにセルフサービスキオスクを提供するフランス Acrelec Group S.A.S. (以下、アクレレック社)を約240億円で買収しました。同社の提供するキオスクやモバイルオーダーシステムとグローリーのセルフ型レジつり銭機「CASHINFINITY™」シリーズ(以下、CIシリーズ)を組み合わせることで、海外市場でも現金と非現金決済を併せた多彩な決済環境の提供が可能となりました。国内市場においては、医療機関の会計処理業務の効率化や利用者の会計待ちを解消する医療費後払いシステム「待たずにラク~だ」や、顔認証技術を用いた手ぶら決済サービス「BioPay(バイオペイ)」など、自動化・省人化に加え、コンタクトレス・セルフ化ニーズにも対応した決済ソリューションを展開しております。また、国内外で金融機関の店舗やATMが減少傾向となるなかで、キャッシュへのアクセスポイントの確保が社会課題の一つとなることが予想されます。当社は、安価でコンパクトな通貨流通スタイルの創出を目指し、キャッシュアウトサービスを展開するシンガポールのフィンテック企業SOCASH PTE. LTD.との資本業務提携を実施いたしました。さらに、2021年8月には、ペイメント市場におけるグローバルリーダーの一つであるオーストリアpaysafecard.com Wertkarten GmbH(以下、paysafecard社)とパートナーシップ契約を締結するとともに、流通店舗における「シェアードサービス」事業を展開するイギリスUnified Financial Limited(以下、OneBanks社)への出資を行いました。これらの会社と協業することで新しい現金エコシステムの創出を目指してまいります。

新たな価値創造に向けて

新型コロナウイルス感染症拡大により人々の価値観や行動様式が変化する一方で、IoT・AI技術を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展など、社会構造の変化が一段と加速しています。こうしたなかで、長期ビジョンに描く「新たな信頼の創造」に向けた新しいチャレンジが始まっています。

当社グループの企業価値の源泉は、「研究開発力」「強固な顧客基盤」「開発からアフターサービスまでの一貫体制」「グローバルネットワーク」「事業に精通した多彩な人材」にあります。当社グループのビジネスモデルは、企業理念を経営の根幹に据え、社会の動向を見据えて課題解決をデザインすることから始まります。コア技術である「認識・識別技術」と「メカトロ技術」に一段と磨きをかけ、製品の高機能化、IoT化を進めるとともに、オープンイノベーションによるデータアナリティクス技術なども融合し、新たな自動化・省人化ソリューションを創出することでお客さまのDX推進を支援してまいります。

こうした価値創造の流れが、当社グループの成長と持続的な企業価値向上を支え、次なる挑戦を可能にしております。

「2023中期経営計画」を策定

当社グループは、長期ビジョンの実現に向けた第2ステップとして、2021年4月からの3ヶ年を計画期間とする「2023中期経営計画」をスタートさせました。本計画では、“コア事業と新領域事業のクロス成長”をコンセプトに、これまで取り組んできた「コア事業」と「新領域事業」の連携を図りながら、両事業の成長を目指します。

業績目標は、最終年度の売上高3000億円、うち新領域事業400億円、営業利益300億円といたしました。「次世代を切り拓く事業開発の加速」、「コア事業の革新による収益の最大化」、「持続的成長を支える経営基盤の構築」の3つを基本方針とし、以下の重点施策を設定しました。加えて、「サステナビリティ方針」を策定し、社会の持続的成長に貢献する活動に取り組んでまいります。

方針1:次世代を切り拓く事業開発の加速

本方針では、顧客基盤、技術など当社の強みを最大限に活かし、キオスクサービスやデータマネジメントプラットフォーム(DMP)、電子決済等、コア事業との親和性の高い事業の売上拡大を図り、新たな事業の柱として確立します。

また、生体・画像認識事業、ロボット事業については、国内の営業力や販売チャネルを活用し、事業拡大と収益化を目指します。

方針2:コア事業の革新による収益の最大化

本方針では、省力化・省人化や新型コロナウイルス感染症拡大を背景とするコンタクトレス・セルフ化等の市場ニーズを捉えた製品ラインナップの最適化を図るとともに、新たなビジネスモデルを構築します。これらの施策により、海外市場では流通市場や新興国での売上拡大を目指します。国内市場では、これまでメインターゲットとしてきた大手顧客に加え、新たな顧客層への裾野拡大を推進してまいります。加えて、事業運営の効率化とコストダウンを推進し、強固な収益基盤の構築を図ります。また、2024年に予定される新紙幣発行に対し、社会インフラを支える企業としての社会的使命を果たすとともに、更新需要の獲得に注力してまいります。

方針3:持続的成長を支える経営基盤の構築

本方針では、成長投資と株主還元を支えるキャッシュ・フロー経営を推進してまいります。また、スピーディーな経営判断、ビジネス変革、生産性向上を支えるDXの推進等、経営管理体制の強化を図るとともに、ポートフォリオマネジメントの推進により経営資源を有効活用し、企業価値向上に取り組んでまいります。

さらに、最も重要な経営資源である人材につきましては、従業員一人ひとりの働きがいを高めることが企業成長の原動力であるという考えの下、社員エンゲージメントの向上に取り組んでまいります。

サステナビリティ方針:社会の持続的成長への貢献と企業価値向上を目指した取組みの推進

本方針では、事業を通じてさまざまな社会課題を解決することにより、社会の持続的成長への貢献と企業価値向上に取り組んでまいります。特に、脱炭素社会の実現に向けたCO2排出量の削減や人権と多様性の尊重、加えてコーポレート・ガバナンスの強化を推進してまいります。

以上のとおり、当社グループは経営環境の変化に対応し、“人と社会の「新たな信頼」を創造する”ソリューションサービスの提供や社会の持続的成長に貢献する取組みを推進してまいります。

企業価値向上を目指して

当社グループは、持続可能な社会の実現に向けて、ESG(環境、社会、ガバナンス)の視点に基づく経営や国際的な課題解決に向けた「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成を目指してまいります。こうした取組みは、当社グループがグローバルにビジネスを展開していく上での重要な責務であると考えております。

昨今、気候変動対策が喫緊の社会課題となっており、カーボンニュートラルへ向けた動きが世界的に加速しています。当社グループも国や地域、業態の枠を超えて取り組むべき重要な経営課題と捉え、脱炭素社会への貢献をマテリアリティの一つとしてCO2排出量削減の目標値を設定するなど、課題を具体的な数値目標に落とし込んで活動を推進してまいります。

当社グループは、社員一人ひとりの行動が企業理念の実現につながると考えております。創業者の精神を大切に、「自分たちの技術やアイデアを社会課題の解決に必ず活かしていく」という積極的な発想で、新たな価値やビジネスを創出していく多彩な人材こそが企業発展を担う重要な要素です。従業員が能力をフルに発揮し、新しいことにチャレンジできる環境を醸成するために、社員エンゲージメントの向上や高度人材の育成等に取り組んでまいります。また、テレワークやフレックスタイム制度をはじめ、新型コロナウイルス感染症拡大がもたらしたニューノーマルに対応したGLORY Workstyleの確立を目指します。

当社は、取締役会の監督機能の強化及び意思決定の迅速化をより進めるため、2020年6月、「監査等委員会設置会社」へ移行しました。また、2021年6月には、海外グループ会社のさらなるガバナンス強化を図るため、Glory Global Solutions Ltd. の女性役員が当社取締役に就任しました。引き続き、持続的な企業価値向上を目指し、ダイバーシティーの推進やコーポレート・ガバナンスの強化をはじめとしたESG経営を推進してまいります。

今後も、ステークホルダーの皆さまから信頼される企業グループとして、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

2021年8月

代表取締役社長

三和 元純