私は、当社とは異なる鉄鋼業でさまざまな実務と経営の経験を積んできました。その中で、事業の競争力強化のための構造改革や海外進出などのグローバル展開等、継続的に企業価値を高める施策の重要性を実感してきました。また同時に、企業は人と現場が命、顧客の信頼が財産だと、日々の仕事を通じて学んでまいりました。
グローリーは、長年築き上げてきた商品力に加え、積極的な海外展開により、今や業界屈指の優良企業となりました。しかし、昨今大きくかつ急激な市場の変化に直面しております。単に従来の事業を継続するに留まらず、あらゆる部門において、新たな、革新的な挑戦が求められているところです。
こうした中で社外取締役としての私の務めは、株主をはじめとする社外の視点に立って、当社経営の一層の活性化を促すとともに、公正で適切な業務執行に資する意見具申を行うことであると考えています。
折しも、本年より当社は、監査等委員会設置会社へ移行します。上場会社として、常にガバナンスの強化充実に向け先進的な取り組みを続けてきましたが、今後一層透明度の高い経営体制になります。一方、取締役会においても、既存事業の革新や海外事業の強化、そして新たな事業分野への進出等、これからのグローリーの成長を左右する重要テーマの議論が相次ぐと予想されます。また、新型コロナウイルス感染症による影響への対処も、企業としての評価を問われます。当社が育んできた企業風土に敬意を払いつつ、いかに次の成長への貢献ができるか、緊張感を持ちながら与えられた役割を果たしてまいります。