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事業等のリスク

当社グループでは、2019年3月期よりグループ全体のリスクマネジメント体制を整備し、リスク管理委員会を中心に、重点領域を設定して対策強化を行うとともに、これらの情報については取締役会に報告する体制としております。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

リスク分類 リスク項目 リスク内容
事業環境 新型コロナウイルス等の感染症による影響 当社グループは、事業活動をグローバルに展開していることから、リスクの高い新たな変異株等の出現により、事業に大きく影響を与える可能性があります。
具体的には、ロックダウン等によるサプライチェーンの混乱に起因する生産活動の制約や顧客の投資意欲の変化が予想外に顕著となった場合等には、収益確保及び財政状態に影響を与える可能性があります。
キャッシュレス化の急速な進展/現金処理機への高い依存 当社グループは、DMP事業などの非現金分野を含む新領域事業の拡大に取り組んでおりますが、新領域事業が成長するまでの間に、中央銀行によるデジタル通貨の発行など急激なキャッシュレス化がグローバルに、また短期間に進展した場合には、業績に影響を与える可能性があります。
海外事業展開 当社グループは、海外市場への事業展開を積極的に行っておりますが、地政学的リスクに加えて、予想の範囲を超える為替相場の変動や模倣品の増加・知的財産の侵害等が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
各国の法令・各種規制 当社グループは、事業活動を行っている国及び地域において、事業の許認可や輸出入規制のほか各種法令の適用を受けております。これらの法令の改廃や新たな公的規制の新設等がなされた場合、また、それ以外の特殊な市場環境要因が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
競争の激化 当社グループが関連する事業分野において競争が激化し、他社による競争力のある新製品・新サービスの提供、大幅値下げ等の積極的な販売活動の展開、低価格品への需要シフト等が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
戦略的投資 当社グループは、中長期にわたる持続的な企業価値向上を目的として、コア事業の拡大及び新領域事業創出に向けて積極的に経営資源を投入しております。2023年3月期末現在、企業買収に伴い発生した「のれん」及び「顧客関係資産」の金額は、それぞれ連結総資産の14.6%(55,528百万円)及び6.9%(26,428百万円)を占めており、事業環境の変化等により期待した成果が得られない場合には減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。また、持分法適用会社となった投資先が事業計画を達成できない場合には、持分法による投資損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。
部品・原材料の調達 当社グループは、部品・原材料については汎用性の高いものを極力使用し、安定調達に努めておりますが、一部、特殊性の高いものを使用していることからサプライヤーが限定されており、天災や事故等によりサプライヤーの生産活動が停止した際には、部品・原材料の調達に困難が生じる可能性あります。加えて、一部の半導体や原材料等、世界的な需給バランスの崩れにより、納期が遅延するリスクが高まっております。これらの事態が発生した場合は、生産に影響が生じ、業績に影響を与える可能性があります。
また、インフレーション等により部品・原材料の価格が上昇した場合には、原価が上昇し、業績に影響を与える可能性があります。
人材の確保 当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、多様な国籍、価値観、専門性等を持つ従業員が働いております。当社グループの中長期的な成長は、これらの人材に大きく依存しており、優秀な人材を適切な時期に確保・育成することが持続的な成長に不可欠でありますが、グループ各社の特性や成長ステージに合致した人材や、開発、生産、販売、保守、管理等の各部門における優秀な人材、特に新領域事業拡大に必要なDX人材の確保・育成が中長期的に計画どおり進まなかった場合、業績に影響を与える可能性があります。
事業運営 研究開発投資 当社グループは、研究開発型企業であり、積極的な研究開発投資を継続しておりますが、テーマによっては開発期間が長期化し、開発費用が高額になる可能性があります。このような事態が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
知的財産権 当社グループは、当社グループ製品による第三者の重要な知的財産権の侵害を防止するとともに、第三者により当社の知的財産権を侵害されないよう他社製品の継続的な調査を行っておりますが、当社グループのような研究開発型企業においては、他社との知的財産紛争が生じる可能性があります。このような事態が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
情報セキュリティ 当社グループは、顧客等の個人情報や機密情報の漏洩等の防止は、会社の信用維持及び円滑な事業運営にとって必要不可欠の事項と捉え、規程の制定、社内教育の徹底、情報セキュリティシステム構築等の措置を講じていますが、情報漏洩等の事態が発生した場合、当社グループの信用低下につながるだけでなく、顧客等に対する損害賠償責任が発生するおそれがあります。また、当社グループの事業活動において、情報システムへの依存度は増大していることから、ハード・ソフト両面のセキュリティ対策等を実施していますが、サイバー攻撃やコンピューターウイルスの感染等により情報システム障害が発生する可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
製品・サービスの品質 当社グループの提供する製品やサービスは、金融機関や流通店舗での現金の取扱い等、安定的な運用が強く求められていることから、製品の設計・評価・部品調達・製造などのすべての部門で品質及び安全性の検証を行い、信頼性の高い製品を提供することに注力しております。また、保守サービスにおきましても、定期点検などにより、製品の品質と安全にかかわる大きな問題発生を未然に防ぐ努力をしております。しかしながら、製品やサービス機能の高度化に伴う不確実要因など、開発・生産・保守サービスの一連のプロセスにおいて、想定外の品質問題の発生もあり得るため、これらが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
資金調達 当社グループは、事業活動の資金を内部資金及び金融機関からの借入れや社債の発行等により調達しています。米州、欧州を中心としたインフレ対策のための政策金利の利上げや、格付機関による当社信用格付けの引下げ等が生じた場合には、資金調達コストが増加し、業績に影響を与える可能性があります。
環境 気候変動 当社グループは、気候変動問題を、避けては通れない喫緊の課題と捉え、気候変動に対する政策及び法規制、市場の要求を踏まえ、環境配慮型製品の開発に取り組んでおります。これらの規制及び要求が予測を超えて「移行リスク」が高まった場合、省エネ/再エネ設備投資や炭素税・排出量取引等の導入による調達コストの増加、販売機会損失、企業ブランド棄損による企業価値低下等が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、気候変動により台風・豪雨等の異常気象、地震等の大規模自然災害等の発生が増加し、「物理的リスク」が高まった場合、自社工場及び従業員の被災や部品調達先の操業停止により、当社グループの事業活動が制限され、業績に影響を与える可能性があります。
内部統制 内部統制 当社グループは、財務報告等の正確性を確保するため、業務プロセスの文書化や厳密な内部監査の実施等により内部統制システムの強化に努めておりますが、その内部統制システムが有効なものであっても、従業員等の作業ミスや不正等によって機能しなくなる場合があります。このような事態が生じた場合には、財務情報を修正する必要が生じ、当社グループの財政状態および業績に影響を与える可能性があります。