公立羽咋病院 様

[導入製品:顔認証システム]
医療機関で初導入
顔認証技術を利用した「離院事故予防システム」
~入院患者さまとご家族、地域の安心・安全のために~
公立羽咋病院様

公立羽咋病院(以下、羽咋病院)は、2015年8月、全国の医療機関に先駆け顔認証技術を利用した「離院事故予防システム」を導入されました。導入の背景から導入後の効果を本システムご担当の片山氏と山口氏に伺いました。

「離院事故予防システム」について

離院事故予防システムとは、顔認証技術を利用した無断離院を未然に防止できるシステムです。
①見守りが必要な入院患者さまの顔写真をシステムに登録。
②患者さまが病院外へ出ようとされた際、設置した顔認証カメラが検知し、発報。
③離院の発生を顔認証カメラで撮影した画像とともに、病院スタッフのパソコンや携帯端末へメールで通知

導入の背景と目的:離院事故撲滅を目指す環境整備

患者さまの安心・安全を目的に、かつて羽咋病院では、出入口、病棟エレベーター付近、廊下や談話室に常時監視カメラを稼働させていました。しかし、固定アングルでは顔まで映らないこと、また、当時のカメラ精度では暗い時間帯は見づらく、患者さまかどうかの識別はできても、見守りを要する患者さまか否かまでの特定は、現実的に困難でした。そのため、年間5~13件の離院が発生していました。さらに、他の養老施設を抜け出した方が、鉄道事故に遭い亡くなる出来事が起こりました。そこで、羽咋病院は「離院事故ゼロ」を目標に掲げ、院内環境の改善に取り組みました。

ソリューション:RFIDの欠点を補う顔認証技術を採用へ

入院患者さまは病衣とリストバンドを着用しているため、第一候補にRFID(非接触RFタグ)が挙がりました。しかし、非接触型の検知可能範囲が半径1m圏内に限られていること、RFIDを外してしまうと追跡ができないなどのデメリットがありました。

デメリットを克服する手段を検討した結果、顔認証技術が利用できるのではないかという案が浮上しました。試行の結果、高確率で対象者を発見できることから、2015年8月に導入決定となりました。
正面玄関だけでなく、通用口も含めた全出入口に12台のカメラを設置し、認証

導入後の効果:事故ゼロの実現と現場の負担軽減

「これまでの約2年間に、アラート発報は約800回ありましたが、顔認証に登録した患者さまの離院は昨年ゼロです。アラームが鳴るたび、玄関先で発見して病室に戻っていただきました。病院にとって、無事故の持続が一番重要です。初期コストは、患者さまと病院の安全な未来を守るために、有効な投資であったといえます」(片山氏)。

「事故ゼロに加えて、管理部から、業務負担が減ったと嬉しい報告をもらいました。離院を検知すると直ちにアラームが鳴り、病院スタッフの携帯端末に『どこの出口を通過中か』画像つきのメールが届きます。患者さまを探し回らなくてもよくなり、現場は大助かりだと好評です」(山口氏)。

*認証率を99%でなく意図的に95%程度に設定することで、アラートを発する対象を適宜広げ、注意を喚起しやすくしています。
登録者が入口を通過しようとすると管理端末と看護師のデバイスにアラートが飛ぶ仕組み

グローリーの離院事故予防システムのおすすめポイント

離院検知の際、携帯端末にメール添付される画像で患者さまの顔と服装、どのカメラからのアラートかも分かり、まっすぐ目的の出口へ駆けつけられます。どこの病院も入院病棟は2階以上ですから、手近なスタッフから急行し、病棟の看護師が合流しますね。患者さまをよく知らない場合も、顔・服装・場所の情報が揃えば共有や引継ぎは非常に安心です。そこに顔認証の強みがあり、採用して正解でした。
当院は基本的にパッケージ導入を方針としています。業界初・ほかの病院がまだやっていないというのは、当然のことです。足りないものは、自分たちの患者さまに合わせて作っていくのが、羽咋病院の文化。今後も、前例がないことをしても、患者さまと地域のことを考えて進む所存です。昨年の学会で導入効果について発表して以来、県内外の病院から見学や問合せが続きます。「離院事故予防システム」を中心に当院が取り組む地域高齢化と認知症対策が、参考になれば幸いです。

公立羽咋病院 医療安全管理責任者 山口 羊一氏(左)と
情報システム室長 片山 裕久氏(右)

公立羽咋病院 様

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プロフィール

所在地 石川県羽咋市的場町松崎24
設立 1945年
病床数 174床  ※2017年7月現在
URL http://www.hakuihp.jp/

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