株主・投資家の皆さまへ

トップメッセージ

「求める心とみんなの力」を結集し、
 持続的な成長を目指していきます
代表取締役社長 三和 元純
2023年3月期を振り返って

2023年3月期は、半導体などの部品調達難や部材価格高騰の影響によって、たいへん厳しい年となりました。その逆風の中でも、製品供給を最優先し、部材の確保、代替部品への設計変更、お客さまとの納期調整など、全従業員が一丸となって対応に尽力しました。一時は大幅な営業損失を覚悟しましたが、地道な取り組みが成果につながり、下期には大きく挽回することができました。それでも上場来初の最終赤字となってしまった結果については真摯に受け止めるべきだと考えています。

しかし、従業員たちが歯を食いしばって製品供給に努めた結果、主要製品のシェア拡大にもつながり、2024年3月期のV字回復に向けた足がかりを築くことができたと感じています。

「レスキャッシュ社会」を新たな成長の機会に

機関投資家の皆さまから「この先、キャッシュレス化はどのように進展すると考えるか?」と質問を受けることがあります。社会の動きを見通すことは容易ではなく、とても難しいテーマだと常日頃から思っています。それでもあえて私の率直な考えをお伝えするなら、キャッシュレス化は進展しますが、私たちの生活の中で現金がなくなることはないと思います。当社グループが主な市場とする日本や欧米はもちろん、経済発展の途上にある新興国においても現金を利用する人々は従前よりは減るものの、相当程度は存在し続けるのではないでしょうか。その意味で、私はこれからの時代を「レスキャッシュ社会」と呼んでいます。

そもそも経済の動きを、現金・非現金という枠組みで考えるということ自体がこれからの時代にそぐわないように感じます。「通貨処理機のトップメーカー」というポジションにあるため、当社グループにとってキャッシュレス化の動きは逆風であるという捉え方もありますが、それは違うと思います。当社グループの事業は金融市場からリテール市場へと大きく広がり、事業も製品のみならず、サービスをクロスさせたソリューションビジネスへと進化しつつあります。その強固な事業基盤を活かして、新領域事業にも果敢に挑んでいます。私は、「レスキャッシュ社会」の到来は、当社グループにとってリスクではなく、新たな成長の機会であると考えています。

今後も持続的な企業価値の向上を実現してまいりますので、ステークホルダーの皆様には、変わらぬご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申しあげます。

2023年8月

代表取締役社長

三和 元純