セルフレジ導入のメリットとは?
メリット・デメリットと選び方
COLUMN

2025.12.16

セルフレジ導入のメリットとは?メリット・デメリットと選び方を解説人手不足や非接触ニーズの高まりを受けて、小売店やクリニックなどで「セルフレジ」を導入するケースが増えています。セルフレジは、従来の有人レジと比べて業務効率化や人件費削減につながるだけでなく、お客様にとってもスムーズで快適な会計体験を提供できる点が大きな魅力です。
一方で、操作に不慣れなお客様へのサポートや機械トラブルへの対応など、導入時には見落とされがちな課題もあります。そのため、メリットだけに注目するのではなく、デメリットも正しく理解したうえで、自店に合ったセルフレジを選ぶことが重要です。
本記事では、セルフレジの種類や特長を整理しながら、導入によるメリット・デメリット、導入の流れ、選定ポイントをわかりやすく解説します。「小売店やクリニックなどの新規開店準備をしている」「セルフレジを導入すべきか迷っている」経営者の方は、ぜひセルフレジ導入の判断材料としてご活用ください。

目次

そもそもセルフレジとは?

セルフレジとは、「お客様が自ら会計作業に関わるレジシステム」の総称です。すべての操作をお客様が行う「フルセルフレジ」と一部のみを担当する「セミセルフレジ」の2つの種類があります。
いずれのタイプも人件費削減やレジ待ち時間の短縮につながります。以下に、それぞれのタイプの特長や利用シーンの例についてまとめました。

セルフレジには、以下の2つの種類があります。

タイプ 特長 利用シーンの例
フルセルフレジ バーコードスキャンから精算まで、すべての操作をお客様ご自身が行う スーパーマーケット・コンビニエンスストアなどの小売店
セミセルフレジ バーコードスキャンはスタッフが担当し、精算をお客様が行う 飲食店・クリニック・専門店

こうしたセルフレジの導入が急速に進んでいる背景には、深刻な人手不足業務効率化の必要性、さらにコロナ禍を経て高まった非接触ニーズがあります。
実際、一般社団法人全国スーパーマーケット協会が2024年に行った「スーパーマーケット年次統計調査報告書」によると、スーパーマーケットにおけるフルセルフレジ・セミセルフレジの導入は増加傾向にあります。

以下に、全国のスーパーマーケットにおけるフルセルフレジ・セミセルフレジの導入状況や今後の設置意向をまとめました。

種類 設置企業の割合 今後の設置意向
「新たに設置したい」
今後の設置意向
「台数を増やしたい」
フルセルフレジ 37.9% 28.9% 17.0%
セミセルフレジ 77.1% 11.6% 15.5%

参照: 2024年 スーパーマーケット年次統計調査 報告書|一般社団法人 全国スーパーマーケット協会

表からもわかるように、セミセルフレジはすでに8割近くのスーパーマーケットで導入されており、今後も設置数は増加する可能性があります。一方、フルセルフレジの導入率はまだ低いものの、「新たに設置したい」と考える企業が一定数あり、今後の普及拡大が期待されています。
このように、セルフレジは「人手不足対策や業務効率化、非接触ニーズへの対応」に欠かせない機器として、今後も小売店やサービス業での導入がさらに進むと考えられます。自社の業態や店舗規模に合った運用方式を検討することで、効率化とお客様満足度向上の両立が可能です。

セルフレジの種類と特長

セルフレジには、さまざまなタイプがあります。ここでは、代表的な「セミセルフレジ」「フルセルフレジ」の2種類について、それぞれの特長と運用上の違いを解説します。

効率性と丁寧な接客を両立する「セミセルフレジ」

セミセルフレジは、バーコードスキャンをスタッフが行い、精算をお客様が行う分担式のセルフレジです。セミセルフレジには、2つの運用形態があります。

● 複数のレジレーンに対して精算機を連動させ、スタッフがバーコードスキャンを行った後、お客様が精算機で精算を行う方式で、大型のスーパーマーケットでみられる運用
● カウンターに設置されたセミセルフレジでスタッフがバーコードスキャンし、お客様がレジと一体になっている自動つり銭機に入金を行う方式で、コンビニエンスストアでみられる運用

店舗の業態や規模に応じて、最適な運用形態を選ぶことが重要です。適切な方式を導入することで、以下のような店舗運営の効率化やお客様満足度の向上につながります。

店舗側メリット

● 現金受け渡しがなくなり、会計ミスを防止できる
● レジ締め作業の負担を大幅に軽減できる

お客様側メリット

● 支払いだけに集中できる
● 操作に不慣れでも、スタッフが近くにいるため安心して利用できる

特に、丁寧な接客が求められるクリニックや小売店会計点数が多い飲食店などでは、大きなメリットが期待できます。
セミセルフレジの具体的な操作方法や使い方については、以下の記事をご覧ください。
▶セルフレジの導入で接客も変わる!顧客満足度を高めるポイントとは?

お客様がすべての会計作業を行う「フルセルフレジ」

フルセルフレジは、バーコードスキャンから精算まで、すべての作業をお客様ご自身が行うタイプのセルフレジです。レジスタッフを配置せずに運用できるため、省人化の効果が大きく、人件費削減や効率的な店舗運営を実現しやすい点が特長です。
一方で、商品のバーコードを探してスキャンしたり、精算方法を選んだりと、操作の負担はすべてお客様にかかります。レジの操作に不慣れな方や高齢のお客様にとっては、戸惑いやすい場面も少なくありません。
そのため、フルセルフレジを導入する際には、店舗スタッフによるサポート体制を整えることや、わかりやすい操作画面・音声ガイダンスを備えた機種を選定することが重要です。

セルフレジ導入で得られるメリット

セルフレジは、人手不足の解消や業務効率化を目的に導入されることが多いですが、店舗運営の安定性やスタッフの働きやすさ向上など、長期的に見ても多くのメリットがあります。
ここでは「店舗側」「お客様側」の両面から、セルフレジ導入により得られるメリットを整理して解説します。

店舗側

ここでは、店舗側が得られる具体的なメリットをまとめました。

現金の取り扱いストレスから解放
セルフレジを導入すると、スタッフが現金を直接扱う場面が大幅に減ります。現金紛失や受け渡しミスといったトラブルを避けられるだけでなく、スタッフの精神的な負担も軽減されます。

人材不足の解消とスタッフの負担軽減
レジ業務に必要な人数を減らせるため、人手不足の解消につながります。
会計対応に追われる時間が減ることで、スタッフは「商品補充」や「お客様対応」など、売り上げやお客様満足度に直結する業務に集中できます。

レジ締め負担軽減
従来型のレジ、通称ガチャレジでは、レジ締め作業としてスタッフが現金を数え、売上データと照合する必要があり、時間や手間がかかります。
フルセルフレジやセミセルフレジには自動つり銭機が搭載されています。自動つり銭機により、全ての入出金を自動で計数します。その結果、レジ締め作業にかかる時間や労力を大幅に削減できるだけでなく、数え間違いのミスもなくなり、迅速かつ正確なレジ締めが可能になります。
小売店やクリニックにおけるつり銭準備金の詳細は、以下の記事をご覧ください。
▶つり銭準備金はいくら必要?内訳と管理のポイントを解説

お客様側

ここでは、お客様側が得られる具体的なメリットをまとめました。

レジ待ち列の緩和
セルフレジは会計処理スピードが向上し、レジ待ち列が緩和されるため、快適な買い物体験につながります。

セルフレジのデメリットと課題

セルフレジには多くのメリットがある一方で、特にフルセルフレジの導入には対応すべき課題も存在します。店舗側とお客様側の双方の視点から、フルセルフレジ導入における注意ポイントを解説します。

店舗側

ここでは、店舗側における運用上のデメリットや課題として、サポート体制や保守・メンテナンスの面についてまとめました。

お客様サポートに手間がかかることがある
セルフレジはお客様自身で操作を行うため、機器の操作に不慣れな方にはスタッフによるサポートが欠かせません。スムーズに案内できるよう、スタッフ教育を行い、サポート体制を事前に整えておくことが大切です。
また、お客様自身がスムーズに操作できるよう、案内用のイラストやPOPを設置することも検討しましょう。

トラブル対応の必要性
端末やバーコードリーダー、決済機器などは、故障やシステム障害が発生するリスクがあります。日常的によく見られるのは、硬貨を一度に大量に投入した際に詰まりが発生するケースです。
こうしたトラブルを最小限に抑えるためには、以下のような対策を行う必要があります。

● トラブル発生時の保守サービスが充実している会社の製品を選ぶ
● お客様に硬貨の投入方法を案内する
● 定期的なメンテナンスを行う

お客様側

フルセルフレジの導入は、利便性が向上する一方で、従来の有人レジにはなかったミスや心理的な負担が生じることがあります。

支払いをうっかり忘れてしまう可能性がある
バーコードスキャンを終えると「会計も完了した」と錯覚しやすく、支払いを失念してしまうケースが考えられます。また、小さな商品を見落としてバーコードスキャンを忘れてしまうことも考えられます。
こうした事態を防ぐためには、フルセルフレジのスペースにアテンドスタッフを配置して最終確認を行う、または画面や音声で「支払い完了」を明示するなどの工夫が必要です。

お客様同士のトラブルが発生する可能性がある
セルフレジの操作に不慣れなお客様が時間を要すると、後ろに並んでいるお客様が不満を感じ、トラブルが生じることがあります。
トラブルを避けるためには、有人レジやセミセルフレジを併設したり、スタッフによるお客様サポートを行ったりして、混雑緩和に向けて誘導することが大切です。フルセルフレジであっても、スタッフはお客様の状況を把握し、円滑な利用環境をサポートする必要があります。

自店に合ったセルフレジを選ぶ3つのポイント

セルフレジは業種や規模、利用するお客様の層によって最適な機種が異なります。導入に失敗しないためには、「省人化できるから便利」という視点だけでなく、店舗の課題解決につながるか、長期的に運用できるかという観点で選ぶことが大切です。
ここでは、経営者の方が導入前に必ず確認しておきたい3つのポイントをご紹介します。

店舗の業種や規模、お客様の層に合っているか

セルフレジを導入する際は、店舗の業種や規模、利用者層によって最適な運用方式は異なります。以下に、業種別の課題やセルフレジ導入で解決できる例についてまとめました。

業種・施設 課題 セルフレジ導入で解決できる点
小売店・飲食店 少人数での店舗運営 セルフレジの導入により、省人化を実現
クリニック 患者様の会計待ち時間、受付業務の負担 セルフレジの導入により、会計作業の効率化待合室の混雑を緩和

自店の課題が「混雑緩和」「省力化」「お客様の快適性」などのいずれなのかを明確にし、その課題に最も適したタイプを選ぶことが導入成功の第一歩です。
クリニックに設置すべきセルフレジの種類の詳細は、以下の記事もご覧ください。
▶自動つり銭機付きのPOSレジを導入してクリニックのレジ締め作業を効率化!
▶レセコンとは?導入のメリットから選び方のポイントまで徹底解説

スタッフとお客様、双方にとって使いやすいか

機能面の充実だけでなく、「誰にとっても操作しやすいか」という視点はセルフレジ導入の成否を大きく左右します。特に、幅広い年齢層のお客様が利用する店舗では「わかりやすさ」「安心感」が欠かせません。また、スタッフにとっても日々の業務に組み込みやすいシステムであることが重要です。
以下のような操作性に関する部分も確認しましょう。

● 高齢者でも直感的に操作できる画面表示のわかりやすさ
操作手順のシンプルさ
● 現金だけでなく、クレジットカード・QRコード・電子マネーなどの幅広いキャッシュレス決済に対応している
● ピクトグラムや表示により、一目でつり銭機部分の入出金口を見つけられる
● エラー発生時に、スタッフがすぐに対応できる機能性や管理画面になっている

セルフレジは省人化を目的に導入されることが多いですが、操作が複雑だとスタッフがサポートに入る必要があり、かえって負担が増えるケースも少なくありません。導入前に「お客様目線」と「スタッフ目線」で操作性を確認することが、失敗を防ぐポイントです。

導入後の保守サービスやサポート体制は万全か

セルフレジは精密機器であるため、日常的に運用している際にトラブルが発生するリスクがあります。導入後に安心して運用するためには、サポート体制の充実度を必ず確認しましょう。

● 365日間、電話・メールでのサポートが可能か
● トラブル時に迅速に駆けつけてくれるサポート拠点があるか
定期的な点検などの保守サービスが契約に含まれているか

初期費用の安さだけで判断すると、トラブル対応に時間やコストがかかるケースが少なくありません。サポート体制も含めて「長期的に安心して運用できるか」を基準に選ぶことが大切です。

セルフレジ導入の流れ

セルフレジを導入する際には目的や課題を整理したうえで順序立てて進めることが重要です。以下のステップに沿って検討を進めることで、導入後の失敗を防ぎ、スムーズに運用を開始できます。

ステップ1:導入目的の明確化と課題の洗い出し

最初に行うべきは、自店でセルフレジを導入する目的を明確にすることです。例えば「省人化」「レジ待ち時間の短縮」「混雑緩和」「お客様の会計にかかる待ち時間の削減」などが挙げられます。
店舗の業種や運営状況に応じた課題を整理し、その解決策としてセルフレジが有効かどうかを検討します。

ステップ2:機種の選定と機能の比較検討

セルフレジには、会計作業のすべてをお客様が操作するフルセルフ型と、支払い部分のみをセルフ化するセミセルフ型があります。また、対応できる支払い方法、画面操作のわかりやすさ、つり銭機の性能なども比較して、自店の目的に合った機種を選定しましょう。
店舗の規模や利用客層に合わせて、複数の機種を検討することが大切です。

ステップ3:提供メーカーへの問い合わせと見積もり依頼

候補となる機種が決まったら、メーカーや販売代理店に問い合わせて見積もりを取りましょう。
この際に導入費用だけでなく、保守サポートの体制や同業種での導入実績についても確認しておくと安心です。複数社を比較することで、最適な選択が可能になります。

ステップ4:契約、設置工事、運用準備

メーカーを選定したら契約を結び、設置工事に進みます。メーカーによっては、初期設定や設置工事が契約に含まれている場合もあり、スムーズな導入が可能です。
導入後はスタッフへの操作研修やマニュアルの整備を行い、お客様への案内方法も準備しておくことが大切です。初めてセルフレジを利用する方に配慮した運用ルールを整えておくことで、スムーズなスタートが可能になります。

高機能なセミセルフレジなら【REGIX】

高機能なセミセルフレジなら【REGIX】

「REGIX」は、15.6インチ両面カラー液晶タッチパネルを搭載し、豊富な機能を備えた小売店・飲食店・クリニック向けの高性能セミセルフレジです。自動つり銭機・現金処理機における国内シェアNo.1を獲得しているグローリー株式会社が開発しており、安心と実績を誇る製品です。

【REGIXの主な搭載機能】
● 商品登録・会計機能
● 売上集計・分析機能
● レジ締め機能
● レセコンバーコード連携機能
● 軽減税率対応機能
● インボイス対応機能
● キャッシュレス決済機能

REGIXには、クリニック向けのレセコンとのバーコード連携機能など、業種に応じた機能が搭載されているため、店舗運営の課題解決を実現し、事業形態に適した柔軟な運用が可能です。業務効率化や省人化を目指す小売店・飲食店・クリニックに最適です。

【REGIXベーシックプランの概要】

費用

● 初期費用:0円
● ランニングコスト:月額3万3,000円~

契約期間 5年間
本体

● POS本体
● つり銭機R08シリーズ
● ドロワー・カバー
● プリンター
● バーコードスキャナー
● 2次元QRコードリーダー

サポート体制

● 機器の設置サービス
● 初期設定・取扱説明レクチャーの実施サポート
● 364日の電話サポート
● つり銭機の無償定期点検(年1回)
● 故障時の出張保守対応

初期費用を抑えて導入でき、常に最新の機能と保守サポートが利用できるセミセルフレジ「REGIX」。導入時の手間や運用負担を軽減し、店舗運営をスムーズにサポートします。

▶︎ REGIXの詳細・導入事例はこちら

まとめ

この記事では、セルフレジ導入のメリット・デメリット、選び方、導入の流れについて解説しました。

● セルフレジには「セミセルフ型」「フルセルフ型」があり、店舗の規模や客層に合わせて選ぶことが重要
● 店舗側のメリットは、人件費レジ締め負担の軽減、効率的な人材配置など
● お客様側のメリットは、会計待ち時間の短縮など

セルフレジの導入は単なる設備投資ではなく、店舗運営全体の効率化とお客様満足度の向上につながります。自社の運営形態や課題を踏まえて最適な方式・機種を選ぶことで、長期的にメリットを得られるでしょう。
初めてセルフレジ導入を検討している小売店・飲食店・クリニックの経営者の方は、コスト面やサポート体制にも注目しながら、自社に合った導入方法を選んでみてはいかがでしょうか。

コラム一覧に戻る