セルフレジでお客様離れ?
顧客体験と効率の両立を実現する方法
COLUMN

2025.7.23

セルフレジでお客様離れ?顧客体験と効率の両立を実現する方法 お客様ご自身がバーコードスキャンと精算を行う「フルセルフレジ」は、レジの混雑緩和や会計業務の効率化に効果的です。しかしフルセルフレジを導入した一部の店舗において、フルセルフレジ運用を廃止した事例があることをご存知でしょうか?
この記事では、フルセルフレジとお客様離れの関連性、その代替案としての「セミセルフレジ」の特長とメリットをご紹介します。

目次

フルセルフレジは本当に効率的?廃止に至った海外の事例

なぜフルセルフレジの導入がお客様離れにつながるのか

フルセルフレジは、日本だけでなく北米やヨーロッパでも広く使われています。しかし、導入後に有人対応レジへ戻したり、台数を減らしたりする店舗も出てきているようです。

フルセルフレジを廃止した海外の事例

近年話題となったイギリスとアメリカの事例をご紹介します。

【イギリス:Booths】
フルセルフレジを導入していたスーパーマーケットチェーンのBoothsでは、2023年11月に28店舗中26店舗でフルセルフレジの運用を廃止し、有人対応レジを設置することを発表した。

【アメリカ:Dollar General】
ディスカウントチェーンストアのDollar Generalでは、2024年3月にフルセルフレジ運用の廃止を発表。約1万8,000以上の店舗のうち約1万2,000店舗でフルセルフレジを撤去した。

この他の国・店舗でもフルセルフレジ導入を見直す動きがあります。主な理由としては以下の内容があります。

 ● 店舗の形態と合っていないので効率化が図れない
 ● お客様と店員との会話(コミュニケーション)の機会が減ってしまった
 ● 万引きの被害が増加した

お客様満足度の低下や不正行為を防ぐために、フルセルフレジを廃止して有人対応レジに回帰する店舗も出てきました。

フルセルフレジ導入がお客様離れにつながる原因

フルセルフレジをうまく導入できれば、レジの待ち列が緩和され、お客様の満足度アップにつながります。
しかし、フルセルフレジ運用についてしっかり分析・検討したうえで導入しないと、フルセルフレジがお客様離れにつながる可能性もあります。お客様視点で、その原因について考えます。

原因1:操作が複雑で分かりにくい

フルセルフレジは、スーパーマーケットやクリニックなど業態を問わず導入されていますが、設置されている機種によって操作方法が異なります。また、現金やクレジットカード、電子マネーといった決済方法の選択やポイントカードの読み取りも、お客様自ら端末を操作して行う必要があります。

高齢の方を中心に「操作方法が分からない」と感じる方も多く、有人対応レジの店舗にお客様が流れてしまうケースもあります。

原因2:バーコードスキャンに手間がかかる

フルセルフレジでは商品登録のバーコードスキャンもお客様ご自身が行います。バーコードスキャンは点数が多くなるほど手間や時間がかかり「従業員にやってもらった方が速いし正確」と感じるお客様もいます。

バーコードスキャンがお客様から負担に感じられてしまうと有人対応レジの店舗へ流れたり、商品の買い控えにつながる可能性もあります。

原因3:値引きシールに対応していない

「セルフレジトラブルに関する実態調査(弁護士ドットコム2024年2月発表)」によると、フルセルフレジ利用のなかで「値引きシールの値段が反映されていない」というトラブルが最多の38.4%となっていました。

出典:弁護士ドットコム 【自社調査】<セルフレジトラブルに関する実態調査>

小売り店舗では、賞味期限が近い食品や早めに売り切りたい商品に値引きシールを貼ることがあります。精算をお客様自ら行うフルセルフレジを導入すると「値引きが反映されていない」といったトラブルに発展することも考えられます。

フルセルフレジを導入する際は、飲食店や小売り店、クリニックなど、業態に適した機種を選ぶことが重要です。また、値引きシールなど店舗で行っているサービスに、フルセルフレジが対応できるかを確認することが必要です。

「セミセルフレジ」という選択肢

「セミセルフレジ」という選択肢

「セミセルフレジ」でフルセルフレジのデメリットを解消し、精算の不正防止やレジ操作でのお客様離れを抑えることが期待できます。

セミセルフレジとは、レジ担当者がバーコードスキャンを行い、お客様が精算を行います。「有人対応レジ」と「フルセルフレジ」の中間的な位置付けです。

セミセルフレジは、会計業務の効率化や人件費削減に加え、フルセルフレジのデメリットを補いお客様離れのリスクを抑えることができます。

セミセルフレジのメリット①
コミュニケーションの質を落とさず、会計待ち列を緩和できる

海外の事例で、フルセルフレジ導入でお客様と従業員の対話が減ったというケースがありました。便利にはなったが、従業員とのコミュニケーション少なくなってしまうのでサービスの質の低下が懸念されます。

一方で、セミセルフレジではお客様とコミュニケーションをとりながら従業員がバーコードスキャンを行い、精算はお客様自ら対応するので、「コミュニケーションをとりたい」「会計の時間を短縮したい」という店舗とお客様双方のニーズを満たすことができます。

セミセルフレジのメリット②
従業員が操作のフォローをするので不慣れな方も安心

精算時、セルフレジはお客様ご自身で割引クーポンやポイントカードの読み取り、決済方法の選択などを行う必要があるので、操作が不慣れな方にとっては負担になることがあります。

セミセルフレジは操作のサポートをする従業員を配置するので、操作に不慣れな方のフォローはもちろん疑問や不安を抱えている方へも直ぐに対応できます。お客様に有人対応レジと変わらない安心感を与えられます。

セミセルフレジのメリット③
衛生的で安心できる

有人対応レジは、従業員が商品登録から精算まで行ってくれますが、食品と現金を交互に触るケースが発生してしまい「衛生面が気になる」というご意見がありました。

セミセルフレジであれば商品登録は従業員が、精算はお客様ご自身が行うので、衛生面での不安が解消されます。

まとめ

フルセルフレジは導入店舗だけでなく、お客様にとってもメリットのあるシステムです。しかし、フルセルフレジの操作に不慣れな方や、従業員とのコミュニケーションを大事に感じるお客様もいるので、セルフレジの導入はメリット・デメリットの慎重な検討が必要です。

そこで、お客様満足度を高めつつ業務の効率化を推進するために「セミセルフレジ」の導入をオススメします。お客様とのコミュニケーションを図りながら会計業務の負担を軽減し、従業員は他の業務に手間と時間をまわすことができます。

グローリーが提供するセミセルフレジのサブスクリプションサービス「REGIX(レジックス)」は、初期費用が不要で、保守サービスも充実しているので、初めてセミセルフレジを導入する方にもおすすめです。小売り店舗やクリニックなど、さまざまな業界でご採用いただいています。

「自社でも導入できる?」「どのような機能があるの?」など、ご興味やご不明点がありましたら、お気軽にご相談ください。
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