レセコンとは?導入のメリットから選び方のポイントまで徹底解説 COLUMN

2025.12.11

レセコンとは?導入のメリットから選び方のポイントまで徹底解説クリニックの開業や日々の運営の中で、「会計業務をもっと効率化したい」「会計処理のミスをなくして安心して経営をしたい」と感じている方は多いのではないでしょうか。こうした課題の解決に大きく役立つのが、医療機関に欠かせないシステムであるレセプトコンピューターです。レセプトコンピューターとは診療報酬明細書(レセプト)を自動作成するコンピューターシステムで、レセコンと称されます。
レセコンを導入することで、 診療報酬請求や会計処理を自動化し、 業務負担の軽減や請求精度の向上返戻やミスの防止を実現できます。さらに、制度改正にも対応できるため、安心して継続的に運営できるのも大きな特長です。
本記事では、レセコンの基本から導入メリット、自院に合った選び方までをわかりやすく解説し、スタッフの負担軽減と経営効率化を同時に実現するためのポイントをお届けします。

目次

レセコンとは?

レセコン(レセプトコンピューター)は、診療報酬を自動で計算・請求する医療事務システムです。作業効率を高め、スタッフの負担を減らし、POSレジと連携することで正確な請求を実現します。医療機関の95%以上で導入されている基幹システムの一つです。

レセコンの基本

レセコンは、診療報酬を保険者に請求する 「レセプト(診療報酬明細書)」を自動で作成します。診療内容や検査、処方などを入力すると、診療報酬点数表に基づいて正確に計算し、請求データを作成するのが特長です。
特にクリニックでは、 限られた人員での円滑な運営を支える重要な基幹システムです。

レセコンでできること

レセコンは、医療機関の事務業務を効率化し、正確な請求や会計を支える基幹システムです。主な機能は以下のとおりです。

受付業務
初診患者様の氏名・住所・連絡先・生年月日などを登録し、保険者番号や有効期限など保険証情報を一元管理します。

診療内容の入力と自動算定
診療内容を入力すると診療報酬点数表に基づき自動計算。複雑な診療や検査も正確に算定し、誤請求を防ぎます。

レセプト作成とオンライン請求
診療データから自動でレセプトを作成し、保険者へオンライン送信。郵送や持参の手間がなく、業務スピードが向上します。

会計業務
会計終了後、患者様の負担額を算出。会計待ち時間を短縮します。

各種書類発行
処方箋、領収書、診療明細書などを自動発行し、法令遵守とサービス向上にもつながります。

レセコンを導入することで、受付から請求までの業務が大幅に効率化され、正確性の向上や請求漏れの防止、 スタッフの負担軽減、経営の安定化、さらに顧客満足度の向上も実現できます。

電子カルテとの関係

電子カルテとレセコンは、どちらも医療機関の業務効率化に欠かせない基幹システムですが、 目的と利用者が異なります

電子カルテは診療記録や検査結果などの医療情報を管理・保存するためのシステムで、主に医師や看護師が利用します。診療経過や検査画像、処方内容を記録・共有でき、診療の質向上やチーム医療の推進に直結します。

一方、レセコンは診療報酬の計算や請求、会計業務を担います。主な利用者は医療事務スタッフです。診療内容を基に保険点数を自動算出し、レセプト(診療報酬明細書)を作成・オンライン請求する他、会計処理や領収書発行なども行います。

両者を連携させて利用すれば、診療記録と会計情報を一元管理でき、 入力の二重作業を防止できます。 患者情報や診療内容が自動で会計処理に反映されるため、転記の誤りや記入漏れを防ぎ、業務効率と正確性の大幅な向上が可能です。

システム連携のタイプ

一体型
電子カルテとレセコンが一つのシステムに統合されており、同じ端末や画面上で診療記録から会計処理まで一括して操作できます。診療から会計までの流れがシームレスで、 作業効率の高さが大きな特長です。

連動型(分離型)
電子カルテとレセコンは別々のシステムですが、データ連携によって診療記録の情報を自動的にレセコンへ転送し、会計や請求処理に活用できます。 既存のシステムを維持しながら柔軟に構成できるため、運用に合わせた導入が可能です。

自院の運用体制や将来の拡張性を考慮し、最適な連携方法を選ぶことが、効率的でミスの少ないクリニック運営のポイントとなります。

レセコン導入で得られる3つのメリット

レセコンの導入は、クリニックの業務効率化と経営安定化に直結します。ここでは、以下の3つのメリットについて説明します。

● スタッフの業務負担を軽減
● 請求業務の精度向上
● 法改正・制度変更への対応

スタッフの業務負担を軽減

レセコン導入により、診療報酬の複雑な計算やレセプト作成が自動化され、 手作業や確認作業の負担が大幅に軽減されます。これにより事務作業の時間が短縮され、スタッフは患者様への対応や院内の改善などの付加価値業務に集中できるようになります。
さらに、入力や計算ミスの減少は精神的負担の軽減にもつながり、 業務全体の効率と精度が向上します。

請求業務の精度向上

レセコンは最新の診療報酬算定ルールを自動的に反映し、病名の適用可否や算定条件の適合、必要項目の入力漏れをチェックしてくれます。これにより、ルール違反や記載不備による返戻や再請求の発生リスクが大幅に減り、 事務作業の手戻りや工数が削減されます。
さらに、請求の精度が向上することで、診療報酬の入金遅延リスクが軽減され、安定した資金回収が可能となります。結果として、 業務効率化と経営の安定化を同時に実現でき、スタッフの負担軽減にもつながります。

法改正・制度変更への対応

レセコンは、診療報酬改定などの制度変更にも、メーカーによるシステムアップデートを自動で対応します。スタッフが複雑な新基準や変更点を手作業で反映する必要がなくなるうえ、 誤請求や返戻リスクを大幅に低減することが可能です。
また、法令遵守を確実にしつつ業務負担も軽減できるため、 限られた人員でも効率的な運営が可能となり、安心感を持ってクリニック経営を続けられます。

クリニックに最適なレセコンを選ぶポイント

レセコン選びは、クリニックの業務効率や将来の運営に直結します。システム形態や機能、サポート体制など重要ポイントを押さえて最適な一台を選びましょう。

システムの形態

医療ITシステムには、主に次の2種類があります。

オンプレミス型

● 院内にサーバーや機器を設置して運用する

● 外部ネットワークに依存しないため、セキュリティー性が高く外部障害に強い

● 初期費用が大きく、機器の保守や管理の負担も発生する

クラウド型

● インターネット経由で利用するためサーバー設置が不要

● 初期費用を抑えられ、利便性・拡張性に優れている

● インターネット環境に依存するため、セキュリティー体制の確保が重要

自院の運用体制や予算、求める機能を踏まえて、最適な方式を選びましょう。

機能と操作性

レセコンや電子カルテを選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。

クリニック規模・診療科目への対応

● 規模や診療科目に適した請求ルールや業務フローに対応できるか

● 必要な機能やカスタマイズ性が備わっているか

● 十分な処理能力や拡張性があるか

操作性・UI

● 直感的で分かりやすい画面か

● 受付から請求まで少ない手順で操作できるか

これらを踏まえて、 自院の運用に最適なシステムを選定することが重要です。

サポート体制

レセコンや電子カルテを選定する際は、以下のようにサポート体制の充実度を必ず確認しましょう。

対応手段:電話・リモート・訪問など複数の対応方法があるか
受付時間:診療時間外や土日も対応可能か
復旧力:緊急時に迅速かつ適切に対応できるか
知識レベル:医療事務や制度改定に精通したスタッフが対応するか

これらの条件を満たすメーカーを選ぶことで、万一 トラブルが発生した際も安心です

システムの拡張性

レセコンを選ぶ際は、現在の業務に合うだけでなく、 将来的な拡張性を重視することも重要です。電子カルテや部門システムを後から追加・変更する可能性を考慮して、幅広い機器とスムーズに連携できる柔軟性があるかを確認しましょう。

さらに、会計業務の効率化を図るためには、POSレジとの連携が可能かどうかも事前に確認しておくことがポイントです。これらを踏まえて選定すれば、 長期的に安定したクリニック運営が実現できます。

レセコンと「自動つり銭機つきPOSレジ」との連携で会計業務はもっと変わる

レセコンと自動つり銭機つきPOSレジを連携させることで、窓口会計がより効率化します。スタッフは入力や計算から解放され、患者様はスムーズに支払いを済ませることができます。

自動つり銭機つきPOSレジを導入するメリット

クリニックに自動つり銭機つきPOSレジを導入することで、会計業務の効率化やスタッフ負担軽減、顧客満足度の向上が期待できます。主なメリットは以下のとおりです。

会計の迅速化
診療費明細書にレセコンから印字されたバーコードをスキャナーで読み取るだけで、会計金額が表示されます。これにより、金額の打ち間違いや計算ミスがなくなります。また、自動つり銭が全ての入出金を計数するので、つり銭を自動で計算し正確に排出します。患者様ご自身での入金処理も可能で、会計がスムーズになり待ち時間短縮にもつながります。

違算の防止
現金の管理を機械が担うため、人的な数え間違いや渡し間違いが発生しません。違算のリスクをゼロにでき、会計の正確性が高まります。

締め作業からの解放
現金売上金とレジ内の現金が常に一致するため、時間のかかる金銭締め作業が不要になります。スタッフの負担軽減や閉院後の業務時間短縮にも効果的です。

衛生的な運用
セミセルフ運用を行う場合は、スタッフと患者様との間で現金を直接受け渡ししないため、感染症のリスクを軽減します。特に衛生管理を重視する医療機関では安心して運用できます。

これらの機能により、自動つり銭機つきPOSレジは会計業務の効率化だけでなく、 ミス防止・衛生管理・業務時間短縮など、多方面でクリニック運営を支えるツールとなります。

クリニックの会計を円滑にするセミセルフ型POSレジ【REGIX】

REGIX

「REGIX」は、クリニックの会計業務を効率化するセミセルフ型POSレジシステムです。

レセコンとのスムーズな連携
レセコンから出力される診療明細書のバーコードをリーダーで読み取るだけで、会計金額を自動で反映し表示。金額入力の手間や誤入力を防ぎます。

患者様ご自身による簡単精算
会計情報を呼び出した後は、患者様ご自身が現金・クレジットカード・電子マネー・QRコードなどの各種決済で支払いを完了。スタッフの負担軽減にもつながります。
(※キャッシュレス決済はオプションです)

信頼性の高いグローリー製
高精度な紙幣・硬貨処理技術を持つグローリー製。信頼性が高く、安心して運用できます。確かな信頼性が、日々の会計業務を支える大きな強みとなります。

グローリーのセミセルフPOSレジの「REGIX」は、会計処理の迅速化と正確性向上により、 顧客満足度とスタッフの働きやすさを両立します。

まとめ

レセコンは診療報酬請求や会計処理を自動化し、 スタッフの負担軽減や請求精度向上を実現するクリニック運営の要となるシステムです。さらに自動つり銭機やPOSレジと連携すれば、会計の迅速化や誤入力の防止、衛生面の強化まで可能になります。

「REGIX」は、主要レセコンと連携できるクリニック向けセミセルフ型POSレジです。領収書のバーコードを読み取るだけで、会計金額が自動で反映されます。患者様ご自身が現金・カード・電子マネー・QRコード決済で簡単に精算できるため、スタッフは金額入力やつり銭準備から解放され、締め作業もワンタッチで完了します。

会計効率化と顧客満足度の向上を同時に実現したい方は、ぜひお問い合わせください。

※レセコンとPOSレジの連携については、各レセプトコンピューターメーカーにご確認ください。

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