病院にキャッシュレス決済は必要?
導入のメリットと失敗しない選び方
COLUMN

2025.11.28

病院にキャッシュレス決済は必要?導入のメリットと失敗しない選び方 クレジットカードや電子マネーなど、病院やクリニックでも患者様の支払い方法に対するニーズが増えています。現金を持ち歩かない人が増え、急な受診や保険適応外診療などでもスムーズに支払える環境が求められています。
本記事では、医療機関におけるキャッシュレス決済導入の必要性や背景、導入による具体的なメリット、失敗しないための選び方や導入方法をわかりやすく解説し、経営者の方々が抱える不安や疑問の解消を目指します。

目次

今、病院にキャッシュレス決済が求められるわけ

病院やクリニックでもキャッシュレス決済の導入が急速に求められています。社会全体のキャッシュレス化や患者様の利便性向上、感染症対策としての非接触ニーズなど、多様な背景が導入の後押しとなっています。

社会全体のキャッシュレス化

近年、日本国内でもキャッシュレス決済の普及が急速に進み、日常生活のあらゆる場面で利用できる環境が整ってきました。コンビニエンスストアやスーパーマーケット、飲食店はもちろん、公共交通機関や自治体の窓口でもキャッシュレス決済対応が当たり前になりつつあります。その結果、現金をほとんど持ち歩かない生活スタイルを選ぶ人が増加しています。
こうした社会全体の変化は、病院やクリニックにおいても例外ではなく、患者様が普段と同じ決済方法を医療機関でも利用できることが、利便性や満足度の向上につながります。

患者様の利便性向上

保険適応外診療やサプリメント・衛生用品などの物販では、比較的高額な支払いが発生することがあります。こうした場面でキャッシュレス決済に対応していれば、現金を持ち歩く必要がなく、患者様は財布の中身を気にせずに受診や購入が可能になります。
また、急な体調不良で受診する場合や、診療後に追加で物品を購入する場合でも、スムーズに会計ができるため、患者様の経済的・心理的負担を軽減し、満足度向上にもつながります。

感染症対策としての非接触ニーズ

コロナ禍以降、現金の受け渡しによる接触を避けたいという意識が高まりました。紙幣や硬貨は多くの人の手を経由するため、衛生面での懸念があり、医療機関では特に安全性が重視されます。
キャッシュレス決済を導入すれば、患者様とスタッフが直接現金をやり取りすることが減り、接触機会を減らすことが可能になります。こうした非接触型の支払い方法は、感染症対策の一環としても有効であり、安心して受診できる環境づくりに貢献します。

病院のキャッシュレス決済が進まない理由とは

病院やクリニックにおいてキャッシュレス決済の導入は徐々に進んでいますが、他業種と比べると普及速度は緩やかです。その背景には、以下のような複合的な理由があります。

1.手数料負担の懸念

キャッシュレス決済には売上金額の数%の決済手数料がかかり、医療機関は保険診療の報酬があらかじめ定められていて利益率が高くないため、この数%が経営に与える影響は無視できず、特にクリニックでは毎月の手数料負担を理由に導入をためらうケースが見られます。

2.キャッシュフローへの影響

現金決済はその日のうちに売上が手元に入りますが、キャッシュレス決済の場合は入金までに数日~数週間かかることがあり、資金繰りに余裕がない場合にはこの入金遅延が運営資金の確保を難しくする要因となります。

3.導入・運用の手間

新しい端末やシステムの設置が必要となり、既存の会計フローに組み込むための調整が発生してきます。また、スタッフ全員に対して操作方法やトラブル対応の研修を行い、運用ルールを策定しておく必要があります。これらの準備や教育の負担は特に人員が限られるクリニックにとって大きなハードルとなります。

4.高齢者対応の課題

高齢の患者様の中には現金払いを好む人が依然として多く、キャッシュレスに不慣れな方も少なくありません。このような場合、現金とキャッシュレス決済を併用する体制づくりが必要になります。

5.導入率の推移

公的統計によると医療機関でのキャッシュレス導入率はコロナ禍以降上昇傾向にありますが飲食店や小売業と比べると依然として低水準です。例えば経済産業省の調査(2023年版)では医療・福祉分野のキャッシュレス決済対応率は約4割程度とされ、業界全体での普及余地が大きいことがわかります。
こうした要因が重なり、導入に前向きな経営者であっても、具体的な一歩を踏み出せないケースが多いのが現状です。

病院にキャッシュレス決済を導入するメリット

病院やクリニックにキャッシュレス決済を導入することで、患者様とスタッフの双方に多くの利点があります。主なメリットは以下のとおりです。

会計がスムーズに
現金のやり取りや計算が不要になるため、会計処理がよりスムーズに進みます。

急な受診でも安心できる
「財布に現金が入っていなかった…」という場合でも安心です。夜間や休日の受診時でも、キャッシュレス決済対応であれば患者様も安心して診療を受けられます。

利便性アップで満足度も向上
普段からキャッシュレスを利用している患者様にとって、医療機関でも同じように使えるのは大きな安心感につながります。

こうしたメリットは顧客満足度の向上につながり、再来院や口コミによる新規患者様の獲得にもつながります。

キャッシュレス決済を導入する際の注意点

病院やクリニックでキャッシュレス決済を導入する際には、メリットだけでなく運用面での注意が必要です。

処理件数増加による締め作業の負担
キャッシュレス決済を導入すると、レジ締め作業が複雑になる場合があります。現金とキャッシュレスの売上を別々に管理が必要になり、作業時間やスタッフの負担が増えることになります。

売上データを一元管理できるシステムを選ぶ
決済方法ごとに売上データが分かれていると、集計ミスや確認作業の負担が増える恐れがあります。スタンドアロン型(単独端末)ではなく、現金決済とキャッシュレス決済の売上を一元管理できるシステムを導入することが重要です。

適切な仕組み選びが、キャッシュレス化を成功させる鍵となります。

キャッシュレス決済導入の流れ

1.自院の課題と目的を明確にする

キャッシュレス決済を導入する際は、まず「なぜ導入するのか」という目的を明確にすることが重要です。目的があいまいなままでは、導入後に効果を実感できず、運用も定着しにくくなります。

【例】
・会計の待ち時間を1人あたり30秒短縮したい
・現金の締め作業を減らし、スタッフの残業時間を削減したい
・感染症対策として非接触決済の割合を増やしたい

このように、定量的な目標具体的な改善点を設定することで、導入効果の測定がしやすくなります。目的が明確であれば、その後のサービス選定や運用体制の構築もスムーズに進めることができます。

2.決済サービスの情報を集める

キャッシュレス決済を導入する際は、自院の目的に合ったサービスを選ぶために複数社を比較検討することが欠かせません。1社だけで判断すると、手数料や機能面で不満が生じる可能性があります。
比較の際は、以下のような項目を整理すると効果的です。

比較項目 内容例
対応可能な決済手段 クレジットカード、電子マネー、QRコードなど
決済手数料・その他費用 売上に対する手数料率、初期費用、月額費用
入金サイクル 翌日入金、週次入金、月次入金など
導入機器の種類 据え置き型端末、モバイル型端末
レセコン連携の有無 対応メーカーや連携方法

このように比較項目を明確にし、自院の優先順位を決めてから選定すれば、導入後の運用負担やコストのミスマッチを防げます。

3.サービス契約と運用の準備

キャッシュレス決済導入の最終ステップは、サービス契約と運用準備です。まず、サービス提供会社に申し込みを行い、必要書類の提出や審査を経て契約を締結します。審査には数日~数週間かかる場合があるため、スケジュールに余裕を持つことが大切です。
契約後は、端末や関連機器の設置を行い、スタッフへの操作研修を実施します。日常の会計処理やトラブル対応が円滑に行えるよう、実際の運用を想定した練習が有効です。また、患者様にキャッシュレス対応を周知するため、院内ポスターや受付での案内、ウェブサイトへの掲載などの告知活動も行い、導入初日からスムーズに利用できる体制を整えましょう。

レセコン連携で会計を自動化するなら【REGIX】

REGIX 製品画像

病院やクリニックでキャッシュレス決済を導入する際、「現金とキャッシュレスの二重管理」「締め作業の増加」「スタッフ負担の増大」など、運用面での課題がつきものです。こうした悩みをまとめて解決できる具体的なソリューションが、【REGIX(レジックス)】です。

1.主要レセコンとスムーズに連携
REGIXは国内主要メーカーのレセプトコンピューター(レセコン)と連携し、レセコン発行の領収書にあるバーコードを読み取るだけで、会計金額が自動で反映されます。これにより金額入力の手間や入力ミスを防ぎ、正確な会計処理を実現できます。
※REGIXとご利用中のレセプトコンピューターが連携可能かは、ご利用いただいているレセプトコンピューターメーカーにお問い合わせください。

2.一台で多様な決済手段に対応
クレジットカード、電子マネー、QRコードなど、患者様の多様なキャッシュレス決済ニーズに一台で対応可能です。複数の決済端末を併用する必要がないため、設置スペースの節約や機器管理の効率化につながります。
※キャッシュレス決済はオプションです

3.自動つり銭機による現金管理の完全自動化
おつりの計算や渡し間違いを防ぎ、現金入出金も自動で記録されます。レジ締め作業の時間と負担を軽減します。

4.セミセルフ運用でスタッフ負担を大幅軽減
患者様ご自身が決済操作を行うことで、スタッフは会計業務から解放され、接客や診療補助など付加価値業務に専念できます。患者様側も自分のペースで支払いができるため、双方にとって利便性が向上します。

REGIXは、キャッシュレス導入の効果を最大限に引き出しつつ、現金との一元管理や業務効率化を同時に実現します。運用面の不安を解消し、患者満足度の向上にもつながる、クリニックに最適なソリューションです。

まとめ

この記事では、病院やクリニックにおけるキャッシュレス決済導入の背景やメリット、注意点、そして導入手順を解説しました。社会全体のキャッシュレス化や患者様の利便性向上、感染症対策などから、医療現場でも対応が求められています。一方で、手数料負担や締め作業の増加といった課題もあり、成功のためには現金とキャッシュレスの一元管理が必要になります。

【REGIX】は、主要レセコンとのスムーズな連携や、多様な決済手段への対応、自動つり銭機による現金管理の自動化を実現します。さらに、セミセルフ運用によってスタッフの負担を軽減し、会計業務における課題を解決します。
安心かつ効率的な会計環境を整え、患者満足度の向上と経営の安定化を両立するために、ぜひ【REGIX】の導入をご検討ください。

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