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飲食店の経費削減は「仕組」で進める!利益率を守る考え方と対策

飲食店の経費削減は「仕組」で進める!利益率を守る考え方と対策

経費削減に頭を悩ませる飲食店経営者の方々

原材料費や人件費、光熱費の高騰が続くなか、経費削減に頭を悩ませている飲食店経営者の方は多いのではないでしょうか。価格転嫁だけでは顧客離れのリスクがあり、かといってむやみにコストを削れば品質やサービスに影響が出かねません。

本記事では、飲食店が取り組むべき経費削減の考え方から具体的な対策まで、体系的に解説します。場当たり的なコストカットではなく、利益を生み続ける「仕組」をつくるヒントとして、ぜひ参考にしてください。

飲食店の経費削減は重要な課題

飲食業界では、原材料費や人件費、光熱費の高騰が経営を圧迫し続けています。帝国データバンクの調査によると、飲食店の価格転嫁率は32.3%にとどまり、コスト上昇分の約70%を自社で負担せざるを得ない状況です。

しかし、度重なる値上げには限界があります。消費者の節約志向が強まるなか、値上げによる客離れを恐れて十分な価格転嫁に踏み切れない飲食店が多いのが実情です。最低賃金の上昇やエネルギー価格の高騰も重なり、売上を伸ばすだけでは利益を確保しにくい環境が続いています。

こうした状況下では、売上拡大と同じくらい「経費削減」が生き残りに欠かせません。経費を見直して数%の改善ができれば、薄利の飲食業にとっては大きな利益向上につながります。

ただし、闇雲に費用を削ると品質低下やサービス悪化を招き、かえって売上減少を引き起こすこともあります。重要なのは、経費削減を「一時的な切り詰め」ではなく、継続して利益を生む「仕組づくり」として捉えることです。

参照:帝国データバンク「価格転嫁に関する実態調査(2025年7月)

飲食店のコスト構造を理解する

経費削減を効果的に進めるには、まず自店のコスト構造を正しく把握することが出発点です。飲食店の経費は大きく「固定費」と「変動費」に分かれ、それぞれ性質が異なるため、対策のアプローチも変わってきます。

固定費と変動費の違い

固定費とは、売上や客数に関係なく毎月一定額発生するコストです。客数がゼロの日があっても発生する費用で、店舗家賃や正社員の給与、リース料などが該当します。

一方、変動費は売上高や提供数に応じて増減するコストです。食材の仕入れ費用、パート・アルバイトの人件費、水道光熱費、消耗品費などが含まれます。

費用区分 代表例 特長
固定費 地代家賃、正社員給与、リース料、固定通信費、減価償却費 売上に関わらず毎月一定額が発生。見直しできれば長期間効果が持続する
変動費 食材・ドリンク仕入れ費、アルバイト人件費、水道光熱費、消耗品費、広告宣伝費 売上や客数に比例して増減。割合(売上比)を管理し、無駄を省くことが重要

固定費は一度見直しに成功すれば長期的なコストカットにつながりますが、契約などで金額が固定されているため短期的には下げにくい傾向があります。変動費は工夫次第で削減しやすい反面、商品やサービスの質に直結するため、顧客満足を損なわない範囲で取り組むことが大前提です。

まず見るべき数字は「率」と「差分」

経費削減に着手する前に、まず注目すべき指標は「率」と「差分」です。

確認すべきポイント

● 各費用の売上比率(率)を算出する:原価率、人件費率、家賃比率などを計算し、業界目安や自社目標と比較
● 前年比・予算比など差分を見る:「前年より光熱費が○万円増加」「人件費率が昨年比+2ポイント」など増加トレンドにあるコストを把握
● 営業データと突き合わせる:客数・客単価・席回転率・曜日別売上などと組み合わせて分析

例えば「売上が伸びたのに利益が出ていない」場合は、費用構造に無駄が潜んでいるかもしれません。「平日と週末で利益率に大きな差がある」なら、人員配置や仕入れ量に改善の余地があるでしょう。

「削る前に測る」を徹底し、現状把握と課題の見極めを経てからアクションを起こすことが、経費削減成功の第一歩です。

飲食店の経費削減を成功させるポイント

効果的に経費を減らしていくには、削減施策の優先順位付けと全店的な仕組づくりが欠かせません。行き当たりばったりの対応では、現場に無理が生じたり顧客満足を損ねたりして、長続きしない可能性があります。

優先順位を決める

経費削減に着手する際は、一度にすべてのコストを削減しようとしないことが重要です。各施策を「効果の大きさ」と「実行難易度」の2軸で評価し、優先順位を明確にしましょう。

優先順位の考え方

● 最優先:効果大×難易度易(電力会社のプラン見直し、不要なサブスクリプション契約の解約など)
● 次に優先:効果大×難易度中(ペーパーレス化、業務の一部クラウドサービス移行など)
● 後回し:効果小×難易度高(費用対効果が低いため、手を付けない判断も必要)

「小さな労力で大きな無駄が省けるところ」から段階的に取り組むのが、成功への近道です。

店舗任せにしない

多店舗展開している企業では、経費削減を各店舗任せにせず本部主導で進めることが極めて重要です。店舗ごとにバラバラのやり方でコスト管理をしていると、全体最適が図れず無駄やばらつきが生じがちです。

本部が統一ルールや基準を策定し、各店舗の運営に組み込む形でコスト削減策を展開しましょう。例えば仕入れの集約では、本部が各店の発注を取りまとめて一括購入すれば、スケールメリットによるボリュームディスカウントが期待できます。

シフト管理や発注基準、在庫廃棄基準なども標準化し、店舗任せの裁量を減らすことで無駄を出さない仕組にすることが大切です。

現場が回る運用に落とす

経費削減策を考える際は、現場で実行・継続できる形に落とし込むことが欠かせません。どれだけ理論上コスト削減効果が高い施策でも、現場スタッフにとって過剰な負担を強いる内容では長続きしません。

施策自体をできるだけシンプルにし、チェックリストやルールを増やしすぎないことがポイントです。また、本部や店長が定期チェックを行う仕組を設け、定期的なモニタリングとフィードバックを組み込むことで、現場も緊張感を持って取り組み続けることができます。

【経費削減の具体案1】変動費の無駄を減らす

経費削減の具体策としてまず取り組みやすいのが、食材費や水道光熱費などの変動費です。変動費は売上に応じて増減する費用ですが、管理次第で無駄を大きく圧縮できる領域でもあります。

発注量のズレを小さくする

仕入れ発注の精度向上は原価削減の基本です。過剰発注や在庫過多は食品廃棄につながり、原材料費の無駄を生みます。

過去データに基づく発注予測とチェック体制を整えましょう。勘や経験だけで発注していると、どうしても過不足が生じがちです。過去の発注履歴や販売実績データを整理し、曜日・季節・天候要因なども考慮した需要予測を行います。

本部が各店の売上動向データを分析して発注基準を提示すると、より精緻な対応が可能になります。

食品ロスを減らす

飲食店の原価高騰に拍車をかけるのが食品ロス(食材廃棄)です。仕入れた食材を使い切れず捨ててしまえば、その分がそのまま無駄なコストになります。

食品ロス削減のポイント

● 廃棄の「見える化」:日々の廃棄量を記録し、廃棄の理由や種類を分類する
● 先入先出の徹底:古いものから使い、期限切れ廃棄を防ぐ
● 適正在庫の管理:食材ごとの適正な在庫日数を決め、在庫過多を防ぐ
● 提供量の調整:食べ残しが多いメニューは量を見直す

廃棄を数値化して意識づけすることが、ロス削減の第一歩です。

メニュー設計を工夫する

メニューそのものの設計を見直すことで、原価の無駄を減らすことも可能です。メニュー全体で原価率のバランスを取ることが大切で、高原価メニューと低原価メニューをバランス良く配置し、トータルで適正な原価率に収まるよう調整します。

また、できるだけ異なるメニューで共通の食材を使い回せるよう工夫すれば、仕入れ食材の種類を減らせるため、在庫管理が容易になり余剰在庫や廃棄も減らせます。

メニュー開発段階から原価と在庫効率を意識することで、無駄のない店舗運営につながります。

【経費削減の具体案2】人件費を抑える

【経費削減の具体案2】人件費を抑える

飲食店経営において、人件費は避けて通れない大きなコストです。しかし、人件費削減は従業員の働き方やサービス品質にも直結するため、安易に進めることは難しい費目でもあります。単に給与を削るのではなく、業務効率化や省人化によって人件費負担を軽減する視点が重要です。

作業を分解する

まず取り組みたいのは、現場の業務を細かく分解し、真に人手が必要な仕事を見極めることです。接客・案内・調理・配膳・会計・清掃など、業務を洗い出して「人間にしかできない付加価値業務」と「自動化・省力化できる業務」に分類します。

例えば注文取りは、タッチパネル式のセルフオーダーやモバイルオーダーを導入すれば、お客様自身に注文入力してもらえます。ピーク時に多数のスタッフを配置する必要が減り、人件費削減につながります。

教育コストを下げる

人件費の中には、新人教育や研修にかかる時間的コストも含まれます。従業員を育成するには労働時間=人件費を費やす必要がありますが、ここを効率化することも人件費削減につながります。

標準化と見える化によって教育コストを下げましょう。各作業の手順を細かくマニュアル化し、チェックリストや動画マニュアルを用意すれば、言葉だけで教えるより理解が早まります。

「迷わせない導線」を作ることがポイントで、新人でも迷わず動ける環境にすれば教育時間を減らせます。

注文受付を効率化

注文対応の効率化は、人件費削減に直結する重要な施策です。繁忙時のホール業務では、注文を取る・確認する・配膳するといった流れが最も人手を要するボトルネックになりやすいからです。

セルフオーダーシステムを導入すれば、ホールスタッフが各テーブルを回らなくても済みます。注文業務の省人化が実現し、人件費削減効果は大きいでしょう。また、セルフオーダーは注文ミス防止にも効果を発揮し、ミス対応に追われる無駄な労力も減らせます。

省人化と聞くとサービス低下を心配する声もありますが、適切に導入すればスタッフは接客に専念でき、顧客満足度を維持向上させながら人件費を削減できます。

【経費削減の具体案3】固定費を最適化する

固定費は毎月固定的に出ていくコストだけに、一度見直しに成功すれば継続的な経費削減効果が期待できます。地道な交渉や取り組みが必要ですが、成功すれば利益への貢献度は高いため、粘り強くチャレンジしましょう。

光熱費を下げる

光熱費(電気・ガス・水道代)は、多くの店舗で節約の余地があります。エネルギー価格高騰が続いている今こそ、省エネ対策と契約プラン見直しで光熱費を抑えましょう。

契約プラン・料金の見直しが第一歩です。電力・ガスの小売自由化により、飲食店でもさまざまな会社・料金プランを選べるようになりました。現在の契約内容を確認し、他社や他プランと比較検討してみましょう。

LED照明への交換も効果的です。LEDは白熱電球と比べて消費電力が約5分の1程度で、寿命も長いため、店内照明を一斉にLED化すれば、照明分の電気代が大幅に下がります。

放置コストに注意

経費削減では、定期的に見直さないまま支払い続けている**「放置コスト」**にも目を向ける必要があります。各種リース・保守契約、サブスクリプション契約、保険料など、気づかないうちに無駄になっている可能性がある費用です。

見直すべき放置コストの例

● 保守契約・リース契約:故障頻度に対して過剰な契約になっていないか
● 清掃・衛生管理コスト:範囲や頻度が今の店舗状況に見合っているか
● サブスクリプション契約:使っていないサービスに課金が続いていないか
● 保険料:内容が重複していたり過剰補償になっていないか

特に契約更新タイミングは見直しの好機ですので、逃さないようにしましょう。

経費削減でやってはいけないこと

経費削減でやってはいけないこと

経費削減に取り組む際には、やってはいけないNG行動も押さえておく必要があります。やり方を間違えると、取り返しのつかないダメージを受ける可能性があるためです。

品質・清潔感・安全を犠牲にする

最も避けるべきは、商品や店舗の品質、安全性を損なうコスト削減です。目先の節約のために提供する料理の質を落としたり、店内の清潔さを犠牲にしたりすれば、顧客離れを招き長期的に見て大きな損失となります。

食材の質を下げすぎて「美味しくなくなった」と思われれば、お客様は離れていきます。清掃頻度を下げすぎて店が汚れてしまえば、お客様の印象は一気に悪化します。清潔さと安全性を維持する費用は必要経費と割り切りましょう。

現場の負担だけを増やす

次に注意すべきは、従業員の負担が増えるだけの安直なコスト削減です。人件費削減のプレッシャーから、現場スタッフにしわ寄せを強いる形でコストカットを図ると、従業員のモチベーションが下がり、生産性低下や離職につながります。

必要な人数を削ってしまうと、残ったスタッフの仕事量が過大になり疲弊します。経費削減は従業員の協力なしには成しえません。彼らが納得し前向きに取り組める形で進めましょう。

数字を見ずに場当たり的に削る

最後に警戒すべきは、データを無視した場当たり的なコストカットです。十分な分析もせず思いつきで経費を削減するのは非常に危険で、削ってはいけないところを削ってしまうリスクがあります。

「全経費を一律10%カット」などとすると、必要な経費まで削られ現場が混乱するケースが多くあります。削減には優先順位とメリハリが必要であり、データに基づき効果の大きいところに集中することが重要です。

飲食店の経費削減でよくある質問

飲食店の経費削減に関してよく寄せられる質問について、本記事で述べた内容を踏まえてお答えします。

赤字経営の飲食店は何割くらい?

ぐるなびが2024年1月に実施した調査によると、過去3年間(2021~2023年)で「3年連続黒字」の店は全体の32.5%にとどまり、「3年間のうち1年でも赤字があった店」は61.8%に上りました。また、「3年連続赤字」の店も23%存在しています。

コロナ禍からの回復傾向は見られるものの、依然として多くの飲食店が厳しい経営環境に置かれており、経費削減は業界共通の課題といえます。

経費削減でやってはいけないことは?

品質・安全・清潔感を犠牲にしない
現場スタッフに過剰な負担をかけない
データ分析なしに削減しない

以上の点が重要です。

お客様にとっての価値と従業員モチベーションを守り、データに基づいて計画的に進めるのが経費削減の鉄則です。

飲食店の原価率を下げるには?

値上げに頼る前に、ロス削減・仕入れ先見直し・メニュー工夫で原価率を下げましょう。過剰仕込みや作りすぎをなくすだけでも原価率は改善しますし、仕入れ業者を変更したり一括大量仕入れにすることで単価交渉力が上がります。

メニュー面では、人気だが原価の高い商品はセット販売で利益確保を図るなどの工夫が有効です。

経費削減の優先順位は?

「お客様への影響が小さく、効果の大きい施策から」着手するのが鉄則です。電力・ガス契約の見直し、使っていないサブスクの解約、印刷費削減など、サービス品質に影響を与えずコスト減できる項目が優先順位高となります。

経費削減はメリハリと段階性が肝心で、「全部一律カット」は失敗のもとです。「効果が高く実行しやすい」施策から順に計画的に削減を実行しましょう。

TOFREEでつくる「経費を減らす仕組」

TOFREEでつくる「経費を減らす仕組」

経費削減の一つの解決策として、飲食店向けのDXソリューション「TOFREE」をご紹介します。TOFREEはグローリー株式会社が提供する飲食店向けソリューションで、セルフオーダーシステムを中心に業務効率化とデータ活用による経費削減を支援しています。

TOFREEの「セルフオーダーKIOSK FGK-100シリーズ」やモバイルオーダーシステムを導入すれば、注文から会計までの業務を大幅に効率化でき、少人数での店舗運営が実現します。セルフオーダーによる省人化(人件費削減)と、データ活用による無駄排除(変動費削減)の両面から経費削減にアプローチできます。

また、顧客・注文分析サービス「TOFREE BI」では、注文データと顧客属性データをクラウド上で一元管理・分析することで、店舗運営に必要な情報を可視化できます。データに基づいた意思決定が可能になり、FL比率や客単価の推移などをリアルタイムで把握して、無駄なコストを発見・改善するサイクルを回しやすくなります。

まとめ

飲食店の経費削減について、考え方と具体策を解説しました。経費削減は利益率向上のための重要戦略であり、売上アップと両輪で進めるべき施策です。ただし、闇雲な削減は逆効果になり得るため、データに基づき計画的に、そして「仕組」で継続することが重要です。

経費削減に取り組む際は、お客様への価値提供や従業員の働きやすさを損なわない範囲で行うことが前提となります。その上で、無駄なコストを見逃さずデータで炙り出し、優先順位を付けて対処することで、たとえ物価や人件費が上がっても耐えられる経営体質を築けるでしょう。

TOFREEのような先端ツールの活用も、経費削減において大きな武器になります。本記事の内容を参考に、利益を生み続ける「仕組づくり」にぜひ取り組んでみてください。