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飲食店のインバウンド対策は何をすべき?課題や成功事例

飲食店のインバウンド対策は何をすべき?課題や成功事例

飲食店におけるインバウンド対策のメリットや注意点、対策例について解説します。

訪日外国人の増加

訪日外国人客(インバウンド)の増加により、飲食店業界には新たな成長のチャンスが広がっています。これから飲食店を開業する経営者にとって、「インバウンド需要をどう取り込むか」は、店舗の成功を左右する重要な課題です。

日本を訪れる外国人観光客の数は、コロナ禍以前の水準を超える勢いで回復しており、需要を取り込めれば、大きな収益アップにつながる可能性があります。

この記事では、飲食店におけるインバウンド対策のメリットや注意点、具体的な対策例について解説します。「飲食店でできるインバウンド対策を知りたい」「開店準備の段階からインバウンド需要を意識したい」という飲食店経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

インバウンドの動向と飲食店に求められる変化とは?

近年、日本を訪れる外国人観光客は急速に回復しており、インバウンド需要が高まっていることが明らかになっています。

【飲食店のインバウンド需要に関するデータ】

●2024年の訪日外国人客数:過去最高の約3,687万人を記録
参照:日本政府観光局(JNTO)「年別 訪日外客数, 出国日本人数の推移」
●訪日外国人客が日本旅行で期待していたこと:83.2%が「日本食を食べること」と回答
●訪日外国人客が今回行ったこと:98.1%が「日本食を食べること」と回答
参照:観光庁「訪日外国人消費動向調査 2023年年次報告書」

「食」を楽しみにしている訪日外国人客が非常に多いことから、インバウンドは飲食店にとって大きなビジネスチャンスといえるでしょう。

一方、日本国内では人口減少や高齢化、食料品の価格高騰などにより食市場の縮小が懸念されています。2023年に行った農林水産省の世論調査によると、食品価格の高騰への対応として「外食の機会を減らした」と回答した人が42.2%にも上っています。

こうした状況を踏まえると、飲食店が売上を伸ばすためには、インバウンド対策が欠かせません。訪日外国人観光客が快適に食体験を楽しめるよう、多言語対応のメニューやキャッシュレス決済、Wi-Fi環境の整備など、受け入れ体制を整えることが重要になります。

特に観光地や駅近など、外国人客が訪れやすい立地の店舗では、インバウンド需要を逃すことが売上機会の損失につながりかねません。開業前から戦略的に準備しておくことが、今後の店舗運営の成否を左右します。

飲食店がインバウンド対策を行う3つのメリット

訪日外国人客は、日本人客とは異なる消費行動や価値観をもっているため、日本人客と比較して大幅な売上アップにつながる可能性があります。

ここでは飲食店がインバウンド対策を行う3つのメリットを整理します。

客単価の向上

訪日外国人客には以下のような特長があります。一人あたりの消費額が高いことから、日本人客よりも高い売上が期待できます。

●観光やビジネス目的で来日する場合、飲食費に余裕がある
●アルコールやコース料理、セットメニューの注文が多い
●食体験を重視するため、特別なメニューを選ぶ傾向がある

団体利用への期待

外国人観光客は、家族・友人・ツアー客などの複数人で来店することが多く、単価の高い団体注文につながります。団体利用の場合、以下のようなメリットが期待できます。

●1回の来店で複数人分の注文が入るため、オペレーション効率が高まる
●滞在時間が長くなることで、追加注文(ドリンクやデザート)が見込める

国外への口コミ効果

訪日外国人客は、SNSや旅行サイトを通じて自国や世界に情報を発信する傾向があり、さらなる集客効果が期待できます。口コミされることによる主な効果をまとめました。

●高評価の食体験やサービスは、海外の知人やフォロワーに共有される
●良い体験が口コミとして拡散されることで、次の訪日客の集客につながる
●SNS上での評判が広がることで、広告費をかけずに海外マーケットへPRできる

飲食店がインバウンド対策を行う際の注意点

インバウンド対策は飲食店の売上アップにつながる可能性がありますが、十分な準備や理解がないまま進めてしまうと、かえってコスト負担や既存のお客様が離れてしまうリスクもあるため、バランスの取れた運営が重要です。

ここでは、飲食店がインバウンド対策を行う際に注意すべき3つのポイントを整理しました。

環境整備のコストを把握する

インバウンド対策を進めるには、以下のような設備や仕組みの導入が必要となります。

●多言語対応のメニューやPOPの作成
●キャッシュレス決済端末やセルフオーダーシステムの導入
●店内Wi-Fiの整備

こうした設備の導入には、一定の費用や時間がかかるため、導入前に費用対効果を検討することが大切です。補助金の活用や段階的な導入なども検討することで、負担を軽減できる可能性があります。

文化や習慣の違いを理解する

訪日外国人客との間でトラブルになりやすいのが、文化や食習慣の違いです。

●食文化の違い:ベジタリアン、ヴィーガン、ハラール、アレルギー対応など
●店舗ルールの違い:お通し代や席料、チップ文化の有無など

訪日外国人客の文化や習慣を事前に理解し、可能な範囲で柔軟に対応することで、安心して利用してもらえる店舗づくりにつながります。

訪日外国人客が飲食店で直面する課題

インバウンド需要を取り込むには、訪日外国人客が飲食店で「どのような場面で困っているのか」を理解したうえで、環境を整備する必要があります。

ここでは、特に訪日外国人客が飲食店で直面しがちな3つの課題について解説します。

言葉の壁による注文の難しさ

訪日外国人が最も直面しやすい課題が、「言語の壁」です。言語が異なることで、以下のような場面で困ってしまう可能性があります。

  • ●メニューの内容が理解できず、注文を正しく伝えられない
  • ●アレルギーや苦手な食材を伝えられない
  • ●宗教的な食制限(ハラール、ベジタリアンなど)を伝えられない
  • ●注文方法や店内ルール(お通し、追加注文など)が分からない

このような状況は「せっかく日本食を楽しみに来たのに、安心して注文できない」という不満につながりやすく、機会損失や悪評につながるリスクがあります。

決済手段の違いによる戸惑い

支払い方法の違いも、訪日外国人にとって大きな課題の一つです。

  • ●自国で主流のクレジットカードやスマホ決済が利用できない
  • ●現金払いしか対応しておらず、不便さを感じる

支払いでストレスを感じると再訪意欲にも影響するだけでなく、利用できる決済手段の違いからトラブルに発展する可能性もあります。

情報収集に必要な通信環境の不足

近年では、訪日外国人にとって通信環境は欠かせないライフラインの一つです。

  • ●店舗に無料Wi-Fiがなく、次の目的地を検索できない
  • ●SNSに料理や店舗の写真を投稿できず、情報発信が滞る
  • ●言語が不安な中で、翻訳アプリを使えない

こうした不便さは「日本の飲食店は外国人に優しくない」という印象を与え、今後の集客機会を逃す要因にもなりかねません。

飲食店ができるインバウンド対策4選

ここでは、飲食店が取り組みやすく、訪日外国人の満足度向上につながる4つのインバウンド対策を解説します。

多言語対応で注文の壁をなくす

訪日外国人が飲食店で最も戸惑いやすいのが「言葉の壁」です。注文時に不安があると来店のハードルが高くなるため、多言語対応は必須です。

【具体的な対策例】

  • ●メニューブックや店内POPを英語・中国語・韓国語などの多言語で表記する
  • ●写真を大きく掲載し、直感的に料理を選べるようにする
  • ●セルフオーダーシステムを導入し、タッチ操作で注文できる環境を整える

メニューは単に翻訳するだけでなく、食材や調理法、アレルギー表示を加えることで安心感が高まります。視覚的に分かりやすい工夫をすることで、訪日外国人は「安心して選べる」と感じ、注文点数の増加にもつながります。

また、セルフオーダーシステムを導入すると、お客様が自分のタイミングで落ち着いて注文できる環境を提供できます。

多様なキャッシュレス決済への対応

日本人向けのキャッシュレス決済だけでなく、海外での利用が多いキャッシュレス決済に対応しましょう。複数の支払い方法に対応することで、機会損失を防ぎます。

【具体的な対策例】

  • ●クレジットカード(VISA・Mastercard・AMEXなど)に対応する
  • ●Alipay・WeChat Pay・Apple Payなど、海外で利用者が多いスマートフォン決済を導入する
  • ●利用可能な決済手段を、ピクトグラムなどで店頭やWebサイトにわかりやすく表示する

支払いの不安が解消されることで、訪日外国人も気軽に注文しやすくなり、客単価の向上にもつながります。また、キャッシュレス対応は、利便性を高めるだけでなく「安心して入店できるお店」という評価にも直結します

快適なWi-Fi環境を整備する

旅行者にとってインターネット環境は欠かせません。「無料Wi-Fiの有無」は、来店の判断材料になることもあるため、Wi-Fi環境の整備はインバウンド対策において重要な要素の一つです。

【具体的な対策例】

  • ●店舗内で無料Wi-Fiを提供する
  • ●SSIDやパスワードをわかりやすく表示する
  • ●安定した通信速度を維持し、快適に利用できる環境を維持する

Wi-Fi環境があることで、訪日外国人は次の目的地を検索したり、料理の写真をSNSに投稿しやすくなります。結果的に「口コミ拡散」や「店舗の認知度向上」にも直結し、高い集客効果を期待できます。

WebサイトやSNSでの積極的な情報発信

訪日外国人の多くは、旅行前にSNSやウェブサイトで情報を収集しているため、多言語での情報発信が欠かせません。

【具体的な対策例】

  • ●店舗の公式WebサイトやSNSを多言語で運営する
  • ●「多言語メニューの有無」「利用可能な決済手段」「無料Wi-Fiの有無」「営業時間」などの基本情報をわかりやすく掲載する
  • ●写真や動画を活用して、店舗の雰囲気を直感的に伝える

事前に十分な情報が得られることで、訪日外国人は「ここなら安心して行ける」と感じやすくなります。また、SNSでの発信は来店後の口コミ拡散にもつながり、国内外の潜在顧客にまでリーチできる点が大きなメリットです。

インバウンド対策の成功事例【Diversity Diner HND 様】

インバウンド対策の成功事例【Diversity Diner HND 様】

実際にインバウンド対策に取り組み、成果を上げている飲食店の事例として、羽田空港第3旅客ターミナルにある「Diversity Diner HND」をご紹介します。

同店では90席の店内スペースに対し、お客様自身が注文・会計を行うセルフオーダーKIOSKを導入することで、少人数での店舗運営を目指しました。

さまざまな国のお客様が行き交う空港内という立地を活かし、積極的にインバウンド対応を行ったことで、売上やお客様満足度の向上につながっています。

導入設備 2台のタッチパネル式注文システム
●セルフオーダーKIOSK FGK-120(現金決済対応モデル)
●セルフオーダーKIOSK FGK-110(キャッシュレスモデル)
導入オプション ●二次元コードスキャナー(QR)
●マルチ決済端末(クレジットカード/電子マネー)
対応決済方法 ●現金(日本円)
●電子マネー
●クレジットカード
●QRコード
(※AlipayやTrueMoneyなどの「Alipay+」にも対応)
導入効果 ● 日英中の3カ国語の多言語対応により外国人対応が可能
●多彩なキャッシュレス決済による販売機会ロス削減
●直感的に操作できるUIで、お客様ご自身で注文・決済
●空間を損なわない高い意匠性
●セルフオーダー方式による人員の最適配置
●管理画面機能を基に仕入れ数のコントロール
●在庫ロス削減

多言語対応機能を搭載し、オプションでキャッシュレス決済への対応が可能なセルフオーダー端末は、インバウンド対策に最適な設備といえます。

「株式会社インターキューブ Diversity Diner HND」のインバウンド対策の詳細は、以下の記事をご覧ください。
導入事例:多彩な決済手段と多言語対応で注文・会計をセルフ化 モバイルオーダー導入で販売機会ロス減少と客単価向上

飲食店のインバウンド対策を実現する「TOFREE」

飲食店のインバウンド対策を実現する「TOFREE」

グローリー株式会社が提供する「TOFREE(トフリー)」は、店舗の業態や課題に合わせて最適なソリューションを組み合わせられる総合プラットフォームです。
その中でも、世界19カ国に拠点を持ち、80カ国以上の大手ファーストフード店や小売事業者に導入実績を持つアクレレック社と共同開発された「セルフオーダーKIOSK FGK-100シリーズ」は信頼性の高いシステムで、訪日外国人客に対応できる機能が充実しており、インバウンド対策としても有効なソリューションです。

この記事でご紹介した、インバウンド対応に関する店舗課題を解決するTOFREEのセルフオーダーソリューションはこちらです。

セルフオーダーKIOSK「FGK-100シリーズ」

キャッシュレス決済や多言語対応が可能な高性能タッチパネル式券売機です。大型カラー液晶による直感的な操作で、訪日外国人客でもスムーズに注文可能です。柔軟な画面遷移により、スムーズなアップセル提案につなげます。

インバウンド対応に適したタッチパネル式券売機の進化形、セルフオーダーKIOSK FGK100シリーズについて詳しくはこちらをご覧ください。
セルフオーダーKIOSK FGK-100シリーズ詳細ページ

テーブルオーダーシステム「O:der Table」

テーブルから自身のスマートフォンでQRコードを読み込むことで、言語を選んで簡単に注文できるタッチパネル注文システムです。アプリインストールや会員登録は不要で、誰でも直感的に利用可能です。
多言語対応やPOSレジとの連携もでき、訪日外国人客の多様なニーズにも柔軟に対応できます。

スマートフォンで迷わず操作可能なテーブルオーダーシステム O:der Tableについて詳しくはこちらをご覧ください。
テーブルオーダーシステム O:der Table詳細ページ

テイクアウトオーダーシステム「O:der ToGo」

訪日外国人客が来店前にスマートフォンから商品注文・決済まで完了できるタッチパネル注文システムです。テイクアウトだけでなくイートインにも対応し、インバウンド向けの販促・集客機能により売上向上をサポートします。
また「FGK-100シリーズ」との連携により、店舗オペレーションに合わせたサービス導入が可能です。

販促機能が充実したテイクアウトオーダーシステム O:der ToGoについて詳しくはこちらをご覧ください。
テイクアウトオーダーシステム O:der ToGo詳細ページ

「TOFREE」シリーズを導入することで、店内・店外・座席からの注文・会計をシステム上で一元管理できます。スタッフは接客や配膳、清掃など本来のサービスに注力でき、訪日外国人客の受け入れ対応も効率的に行えます。結果として、店舗運営を省人化しながら、インバウンド対策を実現します。

豊富な機能と安心のサポート体制を備えた「TOFREE」は、導入直後からオペレーション改善を実感できるだけでなく、長期的にも安定運用できる高性能なセルフオーダー端末です。飲食店や小売店の持続的な成長を強力にサポートします。

まとめ

この記事では、飲食店におけるインバウンド対策のメリットや注意点、具体的な対策例について解説しました。

●飲食店において、インバウンド対策は売上向上や事業拡大において重要な経営課題の一つ
●訪日外国人客が快適な食体験を受けられるように、言語・支払い方法・通信環境の3つの環境を整える
●インバウンド対策に有効な手段の一つとして、セルフオーダー端末の導入を検討する

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