お役立ち情報

USEFUL INFORMATION

客単価を上げる5つの方法とは?
成功事例と戦略の立て方を解説

客単価を上げる5つの方法とは?<br>成功事例と戦略の立て方を解説

飲食店経営の課題解決を目指す「客単価向上」

飲食店を経営している方の中には、「売上を伸ばしたいが、これ以上客数を増やすのは難しい」「原材料費の高騰で利益が圧迫されている」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。こうした課題を解決する鍵となるのが、客単価の向上です。

この記事では、飲食店における客単価アップの重要性から具体的な方法、成功事例、注意点まで詳しく解説します。これから開業を予定している方や、売上向上を目指している経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

飲食店が「客単価」を上げることの重要性

飲食店の売上向上において、客単価は客数と並んで重要な要素です。ここでは、なぜ客単価の向上が経営改善につながるのか、その理由を詳しく見ていきましょう。

売上を構成するのは「客数」と「客単価」

飲食店の売上は「客数×客単価」というシンプルな計算式で表されます。つまり、客数が変わらなくても、客単価が向上すれば売上は増加するということです。客数を増やすためには、広告宣伝や店舗改装などの投資が必要になることが多く、コストがかさみます。一方で、客単価の向上は既存のお客様への働きかけが中心となるため、比較的少ないコストで実現できます。

また、立地や席数によって客数には物理的な限界があります。特に人気店では、ピークタイムに満席となることも多く、これ以上客数を増やすことが困難な場合があります。そのような状況でも、客単価を上げることで売上を伸ばすことができるのです。

さらに、客単価は店舗のポジショニングを決める重要な指標でもあり、自店のコンセプトに合った適正な客単価を設定することが、安定した経営の継続につながります。

客単価アップは利益率の改善に直結

客単価の向上は、売上だけでなく利益率の改善にも大きく貢献します。一般的に、飲食店の原価率は30~40%程度とされていますが、これは売上に対する一定の割合です。つまり、客単価が100円上がれば、そのうち60~70円は粗利益として残ることになります。

例えば、1日の来店客数が50人の店舗で、客単価を200円上げることができれば、1日あたり1万円、月間では約30万円の売上増加となります。このうち約18~21万円が粗利益として上乗せされる計算となり、経営に大きな影響をもたらします。固定費はほとんど変わらないため、増加した粗利益の多くが営業利益の改善につながるのです。

飲食店の客単価を上げる5つの方法

客単価を上げるといっても、単純に価格を上げればよいというわけではありません。お客様の満足度を維持・向上させつつ、自然に購入金額を増やしていただく工夫が必要です。

1.上位メニュー提案による「アップセル」

アップセルとは、お客様が選ぼうとしている商品よりも上位の商品を提案し、購入していただく手法です。例えば、通常のハンバーグを注文されようとしているお客様に「プラス300円で、国産黒毛和牛100%のプレミアムハンバーグにグレードアップできます」と提案するような方法です。

成功のポイントは、価格差に見合う価値を明確に伝えることです。「肉の旨味が格段に違います」「月間限定50食の希少部位を使用しています」など、具体的なメリットを説明することで、お客様は納得して上位商品を選びやすくなります。

価格差は一般的に元の商品の20~30%程度に設定すると心理的なハードルが低く、受け入れられやすいとされています。ただし、これはあくまで目安であり、自店の客層や提供する価値を見極めて、最適な価格差を設定することが重要です。

2.セットや追加の一品を促す「クロスセル」

クロスセルは、メインの商品に関連する別の商品も一緒に購入していただく手法です。飲食店では「ドリンクセット」「デザートセット」などが代表例です。単品で頼むよりもお得感のあるセットメニューを用意することで、注文点数を自然に増やすことができます。

効果的なクロスセルの例として、「ランチタイムのドリンクバーセット(プラス200円)」「夜の晩酌セット(生ビール1杯+お通し2品で800円)」などがあります。また、食事の進行に合わせた提案も有効です。メイン料理を提供する際に「本日のおすすめの前菜はいかがですか」、食後には「コーヒーとミニデザートのセットが人気です」といったものです。

適切なタイミングで提案することにより、お客様も「ちょうど欲しかった」と感じ、満足度と客単価の両方を高められます。

3.メニューブックの工夫で注文意欲を高める

メニューブックは「無言のセールスマン」とも呼ばれ、その見せ方次第で注文数が大きく変わります。料理の魅力が伝わる写真、食欲をそそるネーミング、こだわりが感じられる説明文を用意することで、お客様の「あれも食べてみたい」という気持ちを引き出せます。

レイアウトも重要です。人の視線は、メニューを開いた際にまず左上に集まりやすく、次いで右上から中央に移りやすいという特性があります。この位置に利益率の高い商品やおすすめしたい高単価メニューを配置することで、自然と選ばれやすくなります。また、「店長おすすめ」「人気No.1」といったアイコンを付けることで、迷っているお客様の背中を押すことができます。

ただし、メニュー数が多すぎると選択に迷い、結果的に無難な商品を選ぶ傾向があるため、適度な絞り込みも大切です。

4.接客によるおすすめで満足度と単価を両立

スタッフの一言が、追加注文につながることは珍しくありません。重要なのは、お客様の状況やニーズを察知し、適切な提案をすることです。例えば、ビールを何杯も注文されているグループには「ピッチャーの方がお得ですよ」、ワインを楽しまれているお客様には「このワインに合うチーズの盛り合わせはいかがですか」といった具合です。

ポイントは、お客様にとって有益な情報として受け取っていただけるような提案を心がけることです。「売りたいから勧める」のではなく、「お客様がより楽しい時間を過ごせるように」という視点で提案することで、押し売り感がなくなり、自然な形で客単価アップにつながります。

また、提案は1回にとどめ、断られたらそれ以上無理に勧めないことも大切です。

5.注文しやすい環境作りで機会損失を防ぐ

「追加で注文したいけれど、スタッフが忙しそうで声をかけづらい」と感じて、注文を諦めた経験はありませんか。このような機会損失を防ぐため、お客様が気軽に注文できる環境を整えることも重要です。

近年では、タブレット端末を使ったセルフオーダーシステムや、入口に設置する券売機などを導入する店舗が増えています。これらのシステムでは、お客様が自分のペースでメニューを選べるため、人目を気にせず高単価商品やデザートなどを注文しやすくなるという効果があります。また、キャッシュレス決済への対応も重要です。現金の持ち合わせを気にすることなく、追加注文をしていただきやすい環境を作ることができます。

【成功事例】客単価アップを実現した飲食店の取り組み

【成功事例】客単価アップを実現した飲食店の取り組み

実際に客単価向上に成功した飲食店の事例を紹介します。

羽田空港内の和食レストラン「Diversity Diner HND」(株式会社インターキューブ運営)では、セルフオーダーKIOSK FGK-100シリーズを2台導入し、大きな成果を上げています。入口に設置された端末で注文・決済を行っており、大型のタッチパネルでメニューの提案により、アップセル・クロスセルを実現しています。

セルフオーダー化により、少ない人員でも90席という大規模な店舗を効率的に運営できるようになりました。人件費を抑えつつ売上を伸ばすという、理想的な収益改善を実現した好例といえます。

出典:導入事例:「株式会社インターキューブ Diversity Diner HND」はこちら

客単価アップ施策で失敗しないための注意点

ここでは、施策を実施する際に気をつけるべきポイントを解説します。

お客様の満足度を無視した単純な値上げは避ける

料理の質やサービス内容はそのままで、価格だけを上げるという方法は避けるべきです。お客様は価格の変化に敏感で、特に理由のない値上げには「割高になった」と感じて、来店頻度が下がる可能性があります。

価格を改定する場合は、必ず価値の向上とセットで行うことが重要です。例えば、食材を国産に変更する、盛り付けを豪華にする、新しいソースを開発するなど、お客様が「値上げされたけれど、それ以上の価値がある」と感じられる工夫が必要です。また、既存メニューの値上げよりも、リニューアルメニューとしてやや高めの価格で提供する方が、受け入れられやすい傾向があります。

押し売りの印象を与える

スタッフによる提案は効果的ですが、過剰な「おすすめ」は逆効果になります。お客様がまだ料理を食べている最中に何度も追加メニューを勧めたり、一度断られたのに別の商品を勧めたりすると、「押し売りされている」と不快に感じられてしまいます。

提案のタイミングは、お客様の様子を見ながら判断することが大切です。グラスが空いてしばらく経った頃に「お飲み物のおかわりはいかがですか」と一度だけ声をかける、食事が一段落した様子を見て「デザートメニューもございます」とさりげなく伝えるなど、自然な流れの中での提案を心がけましょう。お客様の反応を見て、興味がなさそうであれば深追いしないことも重要です

お店のコンセプトから外れないように注意する

客単価を上げたいからといって、店のコンセプトから外れた高額メニューを増やすのは避けるべきです。例えば「地域の方が気軽に立ち寄れる大衆食堂」というコンセプトの店で、急に高級食材を使った高額メニューばかりを推し始めると、お客様は違和感を覚え、足が遠のいてしまう可能性があります。

すべての施策は、自店のコンセプトやターゲット層に合っているかという視点で検討することが大切です。ファミリー層がターゲットならキッズメニューとのセット提案、ビジネスマンが多いなら短時間で提供できる限定ランチなど、客層に応じた適切な施策を選択しましょう。

【FAQ】飲食店の客単価に関するよくある質問

多くの経営者の方が抱く客単価の疑問について、具体的なデータを交えてお答えします。

業態 平均客単価
ファミリーレストラン・回転寿司等 1,729円
居酒屋 3,921円
喫茶店・カフェ 1,444円
ファストフード(ハンバーガー等) 969円
和食料理店(すし・割烹等) 4,733円

出典:ホットペッパーグルメ外食総研「外食市場調査(2025年5月度)」

ただし、これらはあくまで平均値であり、立地や客層、提供する料理の内容によって大きく変動します。重要なのは、同じ業態・同じエリアの競合店と比較して、自店がどのポジションにいるかを把握することです。周辺の競合店より極端に高すぎても低すぎても、経営上の課題となる可能性があります。

客単価の目標はどのように設定すれば良い?

客単価の目標設定は、売上目標から逆算する方法が実践的です。まず月間の売上目標を設定し、そこから1日あたりの必要売上を計算します。次に、店舗の席数と回転率から1日の最大客数を算出し、必要売上を客数で割ることで目標客単価が導き出されます。

例えば、25席で1日8回転の店舗の場合、最大客数は200人となります。1日の売上目標が20万円なら、必要な客単価は1,000円という計算になります。この数値が現実的かどうかを、メニュー構成や競合店の価格帯と照らし合わせて検証します。

目標設定後は、実績を毎月確認し、目標との差を分析しながら施策を見直していくことが重要です。単に高い目標を設定するのではなく、実現可能で持続可能な目標を立てることが成功への第一歩となります。

客単価アップに貢献する券売機
「セルフオーダーKIOSK FGK-100シリーズ」

客単価アップに貢献する券売機<br>「セルフオーダーKIOSK FGK-100シリーズ」

グローリー株式会社が提供する「セルフオーダーKIOSK FGK-100シリーズ」は、飲食店の客単価向上を強力にサポートするセルフオーダーKIOSK端末です。大型タッチパネルによる直感的な操作性により、お客様は気兼ねなくメニューを選択でき、追加注文のハードルが大幅に下がります。

FGK-100シリーズの特長として、アップセル・クロスセル機能が標準搭載されている点が挙げられます。例えば、ラーメンを選択すると「プラス250円で餃子セットにできます」という提案が画面に表示され、自然な形で追加注文を促すことができます。また、現金はもちろん、クレジットカード、電子マネー、QRコードなど多様な決済手段に対応し、支払い方法の制約による機会損失を防ぎます。

さらに注目すべきは、データ分析サービス「TOFREE BI」の提供です。FGK-100シリーズに内蔵のAIカメラ(オプション)により、お客様の属性データを取得し、購買データと連携させることで、どのような属性のお客様がどの商品を好んで購入しているかを分析できます。これらのデータを活用することで、より効果的なアップセル・クロスセル戦略の立案が可能となり、継続的な客単価向上につながるメニュー開発をサポートします。

まとめ

飲食店における客単価の向上は、売上と利益の両方を改善する重要な経営戦略です。本記事で紹介した方法を実践する際は、以下のポイントを押さえることが重要です。

【実践すべき5つの方法】
●アップセル:お客様が受け入れられる価格範囲で上位商品提案
●クロスセル:セットメニューや追加の一品提案
●メニューブック:視覚的訴求と戦略的配置
●接客提案:お客様視点での有益な情報提供
●注文環境整備:セルフオーダーやキャッシュレス対応

【避けるべき3つの注意点】
●付加価値なき単純な値上げ
●過剰な押し売り的提案
●コンセプトから外れた施策

常にお客様視点を忘れず、「価値ある提案」を心がけることが成功の鍵となります。また、セルフオーダーKIOSK FGK-100シリーズのような最新のセルフオーダーシステムを活用すれば、人手不足の解消と客単価向上を同時に実現することも可能です。データ分析機能を活用した戦略的なメニュー開発によって、持続的な収益改善が期待できます。

小さな工夫の積み重ねが、大きな成果につながります。ぜひ本記事を参考にして、自店に合った客単価向上施策を実践してみてください。

この記事に興味をお持ちの方へ
オススメの飲食DXソリューション

セルフオーダーKIOSK

FGK-100
SERIES

次世代型セルフオーダーシステム

スリム&スタイリッシュ食券販売機の進化形

前払いにも後払いにも
現金決済にもキャッシュレス決済にも
フレキシブルなセルフオーダー・決済端末

クラウドと連携したメニュー・売上管理、様々な決済への対応など、
最先端の機能を備えたセルフオーダー・決済端末です。
奥行き300mmとスリムなため、様々なロケーションに設置が可能です。

  • 大きくて使いやすいタッチパネル

    大きくて使いやすい
    タッチパネル

  • スリム&スタイリッシュ、様々なロケーションにフィット

    スリム&スタイリッシュ、
    様々なロケーションにフィット

  • 画面設計はPCから自由に設定可能

    画面設計はPCから
    自由に設定可能