サステナビリティ

活動ハイライト

2015年度の活動ハイライト 時代とともに進化するグローリー製品

時代の変遷とともに移り変わる社会からの要請に対応し、当社は大きく可能性を広げてきました。

1950年代

第二次世界大戦の終結後、世界が驚くスピードで戦後復興と経済再建を果たした日本。1955年には1人当たりの実質国民総生産(GNP)が戦前の水準を超え、1956年の経済白書に記された「もはや戦後ではない」という言葉は流行語になりました。

自社製品時代の幕開け

国産初の硬貨計数機

1949年に造船ブームが到来し、当社においても造船会社からの下請けにより、船舶関連部品の生産で工場がフル稼働という状態でしたが、やがて受注が激減。そんな折、造幣局から硬貨計数機の製作を打診されました。「自社製品を開発し、下請けから脱皮しなければならない」という強い信念を持ち続けていた経営責任者の尾上壽作は、この依頼を自社製品開発の夢を実現する好機と判断。試行錯誤の末、1950年に国産初の硬貨計数機を完成させ、造幣局に納入しました。

この硬貨計数機の開発は、当社が通貨処理機メーカーとして歩み始めた原点であり、この硬貨計数機に使われている、硬貨を1枚ずつ繰出し計数する際に利用する遠心力の技術は、今日の硬貨処理機にも採用され続けている技術です。

国産初の硬貨計数機

国産初の硬貨計数機

国産初の硬貨計数機が2015年度「機械遺産」に認定

本機により、その後の金銭処理の省力化・高信頼化に貢献したとして歴史的価値が認められました。

※機械遺産とは、一般社団法人日本機械学会が、歴史に残る機械技術関連遺産を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的に認定するものです。

1960年~1970年代

1960年代前半から1970年代初頭にかけて、東京オリンピック開催、東海道新幹線開業、日本万国博覧会開催と、経済大国への躍進を象徴するような国家イベントが目白押しでした。また、生活水準が上がり、「一億総中流」という国民意識が生まれたのもこの頃です。しかし、1973年に始まったオイルショックを機に、未曾有の経済成長は終焉を迎えました。

成長・発展期

単能機からシステム機器の開発へ

高度経済成長と呼応するように、当社も成長への歩みを進めます。1960年代には硬貨包装機や硬貨選別機等を相次いで開発。加えて、紙幣処理機の開発にも着手し、「通貨処理機器の総合メーカー」としての礎を築きました。また、輸出向け硬貨包装機や紙幣計算機を開発し、海外市場の開拓にも取り組み始めました。

1970年代に入ると、製品は単能機からシステム機器へと進化し、金融機関や流通業界における現金処理の自動化や省力化に貢献。入出金管理システムや多能式紙幣両替機等、お客さまの要望を先取りした製品開発を行い、次々と世に送り出しました。このような先進的な開発により、オイルショック後の不況下にありながら安定的な発展を遂げました。

  • 硬貨計算機<CPシリーズ>

    硬貨計算機<CPシリーズ>

  • 紙幣計算機<GNE>

    紙幣計算機<GNE>

  • 入出金管理システム<PB-2>

    入出金管理システム<PB-2>

1980年~1990年代

「バブル」といわれる好景気に沸いた1980年代半ばから1990年代初頭、「ジャパンマネー」が良くも悪くも世界から注目された時代でした。そして、1991年バブルがはじけ、失われた10年とも20年とも呼ばれる長い景気低迷期に突入していきます。世界的には、米ソ冷戦終結という大転換期のなか、EUの誕生、輸送技術・IT技術の進歩等を背景に、経済のグローバル化が進んだ時代でもありました。

新製品による事業の拡大

コア技術を活かした新たなチャレンジ

当社は硬貨計数機に始まり、硬貨処理や紙幣処理に関連する製品開発で事業展開を図り、技術を蓄積してきました。1986年、業界に先駆けて、金融機関の営業店向け出納機器、オープン出納システムを開発。その後も、業務の効率化、資金効率アップ等、お客さまの要望や社会環境の変化に合わせ、多様化する金融機関のニーズに対応する製品を開発してきました。また、1992年には流通市場をターゲットに、自動的につり銭硬貨を放出するレジつり銭機を業界で初めて開発し、レジでの精算業務を飛躍的に効率化させるものとして大ヒット製品となりました。

一方、そうした通貨処理機の開発で培った当社のコア技術である「認識・識別技術」は、印鑑や手書き文字を見分ける技術へと発展し、新たなビジネスも生み出しました。

  • オープン出納システム<ADDS>

    オープン出納システム<ADDS>

  • レジつり銭機<RT-1>

    レジつり銭機<RT-1>

2000年~

21世紀に入り、日本は、本格的な少子高齢社会を迎え、人口減少による人材不足や格差といった課題に直面していきます。インターネットの普及やグローバル化がさらに進展し、めまぐるしく変化する世界情勢のなかで、多様な価値観を互いに認め合いながら、どのようなプレゼンスを発揮していくのかが問われる時代となりました。

グローバルに展開

日本の技術を世界へ

当社グループは、現在、世界20カ国以上に直販・直メンテナンス網を展開しており、100カ国以上でグローリー製品は活躍しています。先進国を中心に、さまざまな国で導入が進む海外金融機関向け窓口用紙幣入出金機は、機械の中の紙幣を自動で再計数できる自動精査機能の搭載や防犯性を高めた筐体の採用等により、業務の効率化や厳正化はもとよりセキュリティー面の強化も図ることで、銀行における安心で快適な環境づくりに貢献しています。また、紙幣流通量の多い新興国へは、紙幣の高精度な真偽判定や正損判定機能、記番号自動記録機能を搭載した小型紙幣整理機を展開するなど、通貨の信頼性向上と流通紙幣の厳正管理を実現しています。

今後も、「コア技術」をさらに進化させ、世界中の通貨の安心を支えるとともに、社会の持続的な発展に貢献し続けます。

  • 小型紙幣整理機<USF-50シリーズ>

    小型紙幣整理機<USF-50シリーズ>

  • 窓口用紙幣入出金機<RBG-200>

    窓口用紙幣入出金機<RBG-200>